全酪新報/2021年6月20日号
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「福島復興牧場1万㌧出荷目指す」――25年度稼働方針、総事業費約95億円、被災酪農家も出資、運営、人材育成・研修機能備える

2021-06-20

2011年の東日本大震災及び福島第一原発事故からの地域酪農の復興に向け、現在、福島県酪と全酪連、浪江町が町内へ県内最大となる復興牧場設立の取組を進めている(6月1日号既報)。


今後のスケジュールとしては、22年度に造成工事、同年度末頃に建築工事を開始。24年度末に竣工し、25年度より稼働する方針。25年4月より、毎月約100頭乳牛を導入。26年春に年間平均1300頭、生産量1万㌧を目指す。県内への搾乳牛用素牛、肥育素牛の産出も行う。-詳細は全酪新報にてご覧ください-


6月20日号記事1-画像

お断り=本記事は6月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「業界全体で適切な需給調整を」Jミルク川村会長――家庭内消費を引き続き拡大

2021-06-20

Jミルクが6月10日にWebで開いた定時総会の冒頭、川村和夫会長は直近の生乳需給について言及した。6月も関係者の協力・努力により生産基盤を棄損するような事態は回避できる見通しだと説明する一方、新型コロナ感染症の影響により、業務用需要の大幅な減退や高水準が続く乳製品在庫の問題等をふまえ、「引き続き家庭内消費を拡大するよう、取組を強化しつつ需給の変化を見定め、業界全体で適切な需給調整を進めていくことが肝要だ」との認識を強調した。


また、来賓出席した農水省の渡邊毅畜産部長は今後の生乳需給について「(コロナの影響や感染動向により)正確に見通すことは難しく、今後もコロナの動向に左右されると思われる」と述べた上で、6月の牛乳月間をふまえた業界関係者の需要拡大・創出に向けた取組の一層の推進を呼びかけた。

「農水省、牛乳乳製品課長に大熊規義氏が就任」――6月16日付

2021-06-20

農水省は6月16日付で人事異動を発令した。生産局畜産部牛乳乳製品課長に大熊規義氏(内閣官房内閣参事官【内閣官房副長官付、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室参事官】)が就任した。水野秀信牛乳乳製品課長は農産部地域作物課長兼政策統括官付に異動した。

「生乳生産量を考える」最終回『性判別精液の貢献』――畜産・飼料調査所「御影庵」主宰・阿部 亮

2021-06-20

最後に、乳用雌牛の数を増加させる手法としての性判別精液について、その状況を見ておこう。その前に、この手法の意義を認識するために視野を拡げ、日本の牛の勢力図を2020年2月の畜産統計で確認すると、乳牛と肉用牛を併せると390万7千頭だが、乳牛の135万2千頭に比べると、肉用牛は255万5千頭と肉用牛が120万3千頭も多い。


しかし、肉用牛の中には乳用雌牛の産子がたくさん含まれている。肉用牛を見ると、黒毛和種牛を主とする肉専用種は70%で、30%が乳牛由来。30%の構成は乳用種去勢牛が10.5%の26万8千頭、交雑種(F1)が19.4%の49万5千頭となる。また、黒毛和種牛の中には乳用雌牛からの受精卵移植産子もいる。乳牛はどうか。経産牛は62.0%で83万9千頭だが、その予備群たる2歳未満の子牛・育成牛が33.4%の45万2千頭。次に、この経産牛予備群の数を支配する要因は5つあり、一つは分娩間隔。当然、短い方が良いわけだが、19年の牛群検定成績では平均値が432日と1988年の405日と比べると約1カ月近くも伸びている。しかし、最頻値は357日で、1年1産の乳牛の数が最も多い。500日以上の牛も多いために平均値が大きくなっているので、これは努力の余地大いにある。


二つ目は、本シリーズの「その3」で触れた除籍・淘汰の数の削減。三つ目は、F1牛の生産数です。17年度の延べ人工授精頭数に対する黒毛和種牛精液の授精数を見ますと、北海道が21.6%、東北が35.1%、関東が48.6%、東海が55.5%、北陸が55.0%、近畿が56.0%、中四国が61.1%、九州が55.2%と地域によって異なる。F1牛の枝肉生産量は、19年では8万4千㌧、牛肉全体の25.5%を占めている。そして酪農家経済では一定の役割を持っているわけですから、その善し悪しは簡単には言えないだろう。


四つ目は和牛受精卵の移植です、少し前、筆者の家からそう遠くはない所にあるホクレン十勝地区家畜市場の「18年1月15、16日肉牛市場(専用種)名簿」を見ていた。この名簿には受精卵産子という標示があるので、その数を調べてみたところ、初日が554頭で全頭数の49.0%、翌日が145頭で全頭数の16.9%を占めていた。正直、多いんだなあと感じた。このET和牛についてはもう一つ留意しておかねばならないことがある。政府の施策の中に明確に位置付けられているということだ。安倍内閣の時、19年12月、政府は首相を本部長とする農林水産業・地域の活力創造本部の会議で農業生産基盤強化プログラムを決定した。その中には2035年までに和牛肉の生産量を18年の14.9万㌧を30万㌧まで拡大させるという方針がある。和牛の数を2倍にするということになるが、その眼目は牛肉の輸出拡大だ。


そのための支援策をいくつか挙げているが、その中に「和牛受精卵の利用推進」がある。ここで、今までの話のまとめとして表の上の部分を見てほしい。年度ごとの乳用雌牛からの種類別産子頭数を、そして18年度についてはそれぞれの産子の割合を示している。18年の場合、経産牛予備群は37%で肉用向けが63%と肉用向けが多いという状況だが、乳子牛の中では雌牛、つまり経産牛予備群の割合が経年的に増えている。


ここからは五つ目の要因として今回の主題である性判別精液の話に移る。16年8月2日の日本農業新聞「私の経営」で、北海道弟子屈町の吉田一徳さんは「ホルスタインの未経産牛は初回受胎をすべてETで和牛の受精卵を入れる。受胎率は5~6割で受胎しない場合にはもう一度入れる。ホルスタインの2産目以降はほぼすべての牛に性選別精液を付け後継牛を産ませる」と語っている。


性判別精液について復習しておく。牛の精子にはX染色体を持つ精子(メス)とY染色体を持つ精子(オス)の二つがあり、フローサイトメータ(光学的分離装置)を用いて二つの精子を分離したのが性判別精液。この精液の人工授精で非常に高い確率で雌の乳牛を得る手法だ。国内で性判別精液が一般販売されたのは07年からなので、未だ14年くらいの歴史になる。


再度、表を見てほしい。下段に年度ごとの産子の雌雄割合を北海道と都府県に分けて示したが、ともに雌産子の割合が高くなってきている。性判別性精液利用の結果がここに現れていると思うし、それは表の上段の結果とも一致する。このペースで行くと、酪肉近の目標年度である30年には雌産子割合が、北海道では74%、都府県では67%にもなりそうだ。


当然、それは経産牛頭数の増加につながることになる。しかし、直近の19年の乳用種去勢肥育牛からの枝肉生産量8万9千トンは維持できなくなるだろう。


(本号で連載終了)


6月20日号記事4-表

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