注目の商品見つけた北から南から
放射能測定器を発売、ベラルーシアダニ社製―日本全薬工業㈱
畜産医薬品メーカーの日本全薬工業㈱は、ベラルーシ共和国の放射線測定専門メーカーのアダニ社製のコンパクト型の放射能測定器を発売した。
すでに9月19~21日まで、東京ビックサイトで開催された「食」に関わる5つのテーマの複合展示会にも出展している。同社では福島県に本社があり、「放射能のスクーリング機器を取り扱うことで食の安全と畜産界の復興の一助になるとして取扱いを開始した」と述べている。
アダニ社は医療機器、エックス線診断装置の専門メーカーでチェルノブイリ原発事故による放射能汚染事故を契機に放射能測定器を開発して25年の経験を持つ。現地の厳しい食品基準値のもと、優れた性能でロシア、ウクライナ、ベラルーシを中心にこれまでの販売実績は約5千台にのぼる。今回の機種は、日本向けに改良を加えスクーリング検査に最適な設計となっている。
特長としては、牛乳の新基準値1㌔当たり50ベクレル以下(一般食品100ベクレル)をスクリーニングするために、40ベクレルを10分と短時間で正確に測定できる(誤差率±25%)。測定時間を50分に延長すれば測定限界値の10ベクレルまでの測定が可能。少量の検体(0.5㍑)でも測定ができ、材料の無駄もなく操作も簡単。検査項目はセシウム134、137、カリウム40の3項目で、検査可能な検体は牛乳や飲料水、穀物・野菜・果物、土壌や植物、海産物が対象。
操作習熟には1~2時間程度の操作説明とマニュアル書で習得できるとしている。また、故障時のサポートとして専門メンテナンス会社とも連携している。
日本全薬工業では「酪農家や酪農協は、飼料畑、放牧地等の放射能汚染問題や風評被害で大変な影響を受けているが、消費者の放射能に対する不安は大きく、生乳、自給粗飼料、草地の定期的な細かい放射能検査により、畜産物の安全性を確保し、消費者の安全・安心を得ることが必要と考えている」と話している。
製品の重量は51㌔(寸法は幅320㍉×長さ360㍉×高さ300㍉)。
販売価格は241万5千円(プラスティック製の計測容器5個とソフト込み)。問合せは日本全薬工業㈱企画部・佐藤氏まで。