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全酪新報/2024年12月20号
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「生産現場の実情に応じた設定・支援を、「意欲持てる環境作りへ」簗和生畜産・酪農対策委員長」――25年度、自民党畜産・酪農対策委員会
自民党は12月13日、党本部で畜産・酪農対策委員会を開催。25年度畜産物価格及び関連対策決定に向け、議論を開始した。議員からは、生産現場の実情に応じた補給金単価の設定等を要望する声が上がった。簗和生畜産・酪農対策委員長は「次期酪肉近策定に向けた検討なども踏まえ、現場が意欲を持てる環境作りへ頑張っていく」と意気込みを示した。-詳細は全酪新報にてご覧ください-
お断り=本記事は12月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。
「酪農家戸数減少の歯止めがかからない現状を懸念、生産現場が安心して営農できる対応必要」――酪政連・柴田輝男委員長
12月13日の会合では、日本酪農政治連盟、JA全中など生産者団体が要請。その中で酪政連の柴田輝男委員長は酪農家戸数減少に歯止めがかからない現状を懸念。資材高騰対策等を含め、生産現場が安心して営農できる対応が必要だと強調した。
柴田委員長は会合で、改正畜安法の運用改善について要望。「しっかりとしたルール作りをしていただきたい」と語った。このほか、「飼料や肥料、電気代まで、全てのものに対する高騰対策を組んでいただきたい」と求めた。
また、このほど中央酪農会議が公表した全国の酪農家戸数1万戸割れに言及。「私は牧場の2代目としてこれまで53年、信念を持って酪農を頑張ってきた。現在は3代目に経営を移譲し、4代目もいる。ただ、今の酪農情勢は本当に厳しい」と語り、酪農が未来に残るための手厚い支援を強く求めた。
畜酪委員会で要請する柴田委員長
「来年度の酪農対策めぐり江藤拓農相に要請、25年度加工原料乳生産者補給金単価等適切な設定を求める」――JA全中
JA全中の樽井功畜産・酪農対策委員会酪農委員長(北農中会長)らは12月12日、江藤拓農相を訪ね、来年度の畜産・酪農対策等をめぐり要請。樽井委員長は25年度加工原料乳生産者補給金について、適切な単価、数量の設定を強く要望するとともに「系統外も含めて、酪農関係者が公平に生乳需給調整に取り組めるセーフティネットの構築や、生乳需給状況を考慮して、地域生産基盤を維持する酪農経営体への畜産クラスター事業の支援再開をお願いしたい」と求めた。
要請を受けて江藤農相は、このほど酪農家が1万戸を割ったことに言及。依然経営が厳しい状況に置かれていることに理解を示した上で、畜産物価格をめぐる議論に対して「ルールに基づいて計算しなければならないが、それだけではもたない。私としても皆様の意を介した対応をしていきたい」と応じた。
このほか、25年度の畜産・酪農対策に関するJAグループの政策提案として▽飼料自給率向上対策▽生産基盤対策▽家畜衛生対策――等への対応を要請した。
樽井酪農委員長ら5名が訪問した
「酪農家応援へキャンペーンを開始」――JAタウン
JA全農は12月11日より、産地直送通販サイトのJAタウンにて「酪農家応援キャンペーン」を開始した。生産現場におけるエネルギーコストの高騰や飼料価格の高止まり等をはじめ、生乳需給が特に緩和する年末年始の需要喚起のため、牛乳・乳製品の消費を通じて酪農家を応援することが目的。送料負担無しの商品や「農協シリーズの乳製品セット」といった限定商品など、約70点を販売中。期間は12月25日まで。
「2024年の酪農業界を振り返る㊤(1月~6月)」
昨年同様、各種コスト上昇や不安定な為替、例年以上に進む離農、需要低迷等により酪農は依然厳しい状況下にあるなか、元旦に能登半島地震が発生。被災地域の酪農では一部牛舎の損壊や断水、長引く生乳廃棄など深刻な被害が続いた。このほか24年上期には、配合飼料価格安定制度のあり方をめぐる議論がスタート。また、食料・農業・農村基本法の改正をめぐる動きや「生乳の需給等に係る情報交換会」における需給調整などを議論、米国で初となる乳牛への高病原性鳥インフルエンザの感染確認など、課題山積の酪農乳業界だった。
石川県で能登半島地震発生、配合基金見直しへ議論開始
1月
1日 石川県で能登半島地震が発生。道路の寸断や断水、停電などにより、生乳廃棄や牛舎の損壊など酪農に甚大な被害があった。
16日 能登半島地震の発生を受け、政府は24年度一般関係予算の予備費を5千億円から1兆円へ倍増する方針を閣議決定。
21日 全国酪農青年女性会議が大阪のショッピングモールで酪農理解醸成活動を実施。消費拡大など応援を呼びかけた。
25日 農水省は能登半島地震被災酪農家に対し、長期の停電による乳房炎の予防管理の取り組みとして、搾乳牛1頭当たり1300円以上を交付する支援対策を措置。
大阪のショッピングモールで(1月21日)
基本法改正案を閣議決定、鳥インフル米国で乳牛に感染
2月
15日 第2回目となる生乳需給等に係る情報交換会を開催。需要拡大の必要性や乳製品加工による需給調整など、全国的な課題をあらためて関係者間で認識を共有。
20日 「配合飼料価格安定制度のあり方に関する検討会」の初会合を農水省内で開催。制度の安定運用を目指して課題等を関係者間で共有、議論した。
27日 政府が食料・農業・農村基本法の改正案を閣議決定、国会に提出した。基本理念に食料安全保障の確保を規定。合理的な価格形成についても課題として盛り込んだ。
3月
6日 酪政連は都内で中央委員会と通常総会を開き、24年度の運動方針等を原案通り承認。任期満了に伴う役員改選で佐藤哲委員長が退任、木本栄一氏が新委員長に選任された。
25日 北海道の24年度用途別原料乳価格が、学乳向けを除き全用途据え置きで決着した。
25日 米国のテキサス州とカンザス州において、乳牛から高病原性鳥インフルエンザが検出され感染が世界で初めて確認された。
受託乳量2年連続減少、IFCN会議十勝で開催
4月
15日 中酪が23年度の用途別販売実績を公表。受託乳量は前年度比3.5%減(閏年修正値3.8%減)、2年連続で減少する中で減少幅がさらに拡大。4年ぶりに受託乳量が700万㌧を割った。需要面でも減少傾向が続いている。
29日 24年春の勲章の受賞者が発令され、酪農関係では㈲ティ・エッチ・ファーム元代表取締役の谷秀則氏(70歳、熊本県山鹿市)が旭日双光章を受章した。
30日 中酪が23年度指定団体別出荷農家戸数調査を公表。全国の出荷酪農家の数は5.9%減の1万358戸。前年度の減少率と比べ減少幅はやや縮小した一方、都府県の離農は依然深刻。
5月
24日 省内で食料・農業・農村政策審議会畜産部会を開き、畜産物の需給や流通をテーマに関係者から意見を聴取。全生産者による需給調整負担や脱脂粉乳・バター需要の跛行性への対応などが課題として上がる。
28日 埼玉酪農業協同組合組合長等も務めていた酪政連の木本栄一委員長が死去(満74歳)。
6月
1日 全酪連が牛乳の日に第6回らくのうマルシェを代々木の酪農会館で開催。会員等の牛乳・乳製品をPRするとともに、復興応援を目的に北陸の製品も販売した。
19日 酪政連が中央委員会を開き、25年度の酪農政策・予算確保に向けた要請事項を協議。経営安定に資する制度の構築、長命連産事業の継続など、酪農経営改善に向けた支援等を要望していく方針を決めた。
26日 農水省は今年度の国家貿易による乳製品輸入について、バターの輸入枠数量を今年度の予定数量約1万㌧に加え、安定供給と需要維持を踏まえ、さらに4千㌧拡大する方針を示した。
29日 世界の酪農乳業研究者や団体・企業等で構成するIFCN(国際酪農比較ネットワーク)は7月2日までの期間、帯広市など十勝管内で「IFCN デーリーカンファレンス2024」を開催した。アジアでの開催は初めて。
最終日は国内外から200名が参加した(7月2日)
「2024年の酪農業界を振り返る㊦(7月~12月)」
24年下期は、次期食料・農業・農村基本計画とともに、新たな「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」(酪肉近)の策定に向けて議論がスタートした。届出伝染病「ランピースキン病」の国内初発生、指定団体への出荷農家戸数がついに1万戸を割るなど、酪農を取り巻く情勢は非常に不安定な形で推移した。牛乳等の需要低迷に対する脱脂粉乳在庫対策、消費拡大の取り組みの必要性など課題山積の酪農業界。酪農家が将来に亘りしっかり搾っていけるよう、各課題へ関係者一丸で対応していく必要がある。
酪政連委員長に柴田氏
7月
9日 農水省が2月1日現在の畜産統計を公表。全国の酪農家戸数は1万1900戸で2年連続大幅減。経産牛・未経産牛は前年度を下回った一方、1戸当たり平均飼養頭数は増加している。
18~19日 全国酪農青年女性会議と全酪連は名古屋市で、全国酪農青年女性酪農発表大会を開催。最優秀賞の農林水産大臣賞に筒井省悟さん(岡山県真庭市)が選ばれた。
24日 酪政連は酪農会館で開いた中央常任委員会で、急逝した木本栄一委員長の後任として柴田輝男氏を新委員長に選任。
8月
8日 農水省が2023年度の食料自給率を公表。牛乳・乳製品の食料自給率(重量ベース)は63%で前年度より1㌽上昇した。
29日 食料・農業・農村政策審議会と同企画部会は合同会議を開き、次期食料・農業・農村基本計画の策定に向け、農相の諮問を受けて議論を開始した。
30日 農水省は総額2兆6389億円とする25年度農林水産予算概算要求を取りまとめた。酪農家や肉牛農家等の連携による計画的な飼料増産等を支援する事業のほか、既存の必要な予算も継続要求した。
次期酪肉近策定へ議論開始、石川・能登で豪雨被害
9月
10日 食料・農業・農村政策審議会畜産部会は、新たな酪肉近の策定へ議論がスタート。生産現場が前向きに経営継続できるように議論を行っていくべきとの意見が相次いだ。
21~22日 石川・能登半島で、豪雨被害により一部の酪農家で停電や断水、生乳廃棄が発生。
27日 農水省が乳製品の国家貿易による今年度の輸入枠数量を検証。バターの需給状況を踏まえ、カレントアクセスの枠数量にバター枠4千㌧を追加して生乳換算18万7千㌧の枠数量を設定した6月判断を据え置いた。
過去最多となる9名が立候補した自民党総裁選で、石破茂氏が第28代総裁に選出された。
次期酪肉近をめぐり意見を交わした(9月10日)
10月に石破内閣が発足、ランピースキン病発生
10月
1日 発足した石破内閣で、農相に小里泰弘氏が就任。
2日 Jミルクが酪農乳業のあるべき姿の方向性を示す改訂版戦略ビジョンを公表。日本酪農の生産基盤の維持・強化、牛乳・乳製品の消費拡大など7項目の重要課題を盛り込んだ。
10日 自民党が衆院総選挙に向けた政権公約を発表。農業関係予算総額の十分な増額と物価高への対応を明記。
15日 農水省が「配合飼料価格安定制度のあり方に関する検討会」の中間的総括を公表。最小補てん単価引上げ実施などを盛り込んだ。
28日 全酪連が東京都立農産高校に次世代型牛乳自販機を設置し、牛乳・乳製品の販売動向を調査する取り組みを開始した。高校生への牛乳・乳製品の需要創出や定着等を図る。
11月
6日 アジア各国で発生中の牛の伝染病「ランピースキン病」が福岡県で見つかった。国内での発生確認は初めて。
11日 第2次石破内閣が発足し、農相に江藤拓氏が就任。
16日 Jミルクが東京・豊洲で土日ミルクフェスを開催。実際の牛も登場し、休日の牛乳消費拡大へ業界内外の関係者が協力し盛り上げた。
29日 24年度農林水産関係補正予算が閣議決定。乳用牛の長命連産性向上や国産飼料生産・利用拡大対策を計上したほか、脱脂粉乳の在庫低減及び需要拡大への支援策等も引き続き措置した。
酪農家戸数が1万戸を割る
12月
2日 中央酪農会議が指定団体別出荷農家戸数調査の結果を公表。経営環境の悪化により急激に減少してきた全国の酪農家戸数がついに1万戸を割った。
この事態を受けて、中酪が都内で記者会見を開催。酪農家らが生産現場の窮状や課題を訴えるとともに、消費者へ理解を求めた。
本物の乳牛が登場した土日ミルクフェス(11月16日)