全酪新報/2017年10月10日号

「牛乳消費が堅調、見通し上方修正」Jミルク予測――北海道の生乳生産回復へ

2017-10-10

Jミルクは9月29日、7月までの実績をもとにした2017年度の生乳と牛乳・乳製品の需給見通しを公表した。全国の生乳生産量は依然として前年度を下回っているが、8月は北海道と東日本で比較的気温が低かったため、減少幅は縮小した。加えて、北海道は成牛頭数が復調傾向にあることから、下期から生乳生産は回復する見込み。全国の牛乳消費は堅調で、前回7月の見通しを上方修正した。はっ酵乳はわずかに減少する。

お断り=本記事は10月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「チーズは実質関税撤廃、今後もTPP型協定進む」――東大・鈴木教授が講演で日EU・EPAに言及

2017-10-10

東大大学院の鈴木宣弘教授は9月30日、公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団(東京都三鷹市)が開いた市民講座で「貿易不均等の生贄になる日本農業の危機、食の安全保障や如何に」と題して講演した。7月に大枠合意した日EU・EPAについて「TPP以上に譲歩。(結果は)チーズは実質関税撤廃と言える」、「EUのGAPは日本の輸出の妨げになる」などと述べた。講演内容の一部を紹介する。


米国がTPPから離脱して以来、11カ国で早期発効を目指して交渉を続けている。そうした中、日本とEUのEPAは7月に大枠で合意した。そういった国際的な動きについて鈴木教授は「日本政府はTPP型の協定を世界中に拡大していく方針で大枠合意した。EUにはTPP以上に譲歩した。そういった協定をどんどん進めようとしている」と述べた。


日EU・EPAの酪農関係では、ソフト系チーズは輸入枠を設定した上で、枠内税率を段階的に撤廃。枠数量は初年度2万㌧から16年目に3万1千㌧に拡大する。主に原料用のハード系チーズはTPPと同様に関税撤廃するが、長期間の撤廃期間を設けた。


それらの合意内容について鈴木教授は「TPPが合意した際には、ハード系の関税撤廃により、国産チーズ向け生乳は行き場を失う。すると、北海道の生乳が都府県に移出され、乳価が下がり、結果的に廃業が増加することが懸念されていた。にもかかわらず、EUとの交渉においては、EUに競争力のあるソフト系の輸入枠を設定したが、段階的に枠を拡大して無税にする流れが決まっている。そのため、実質的には関税撤廃と言える」と指摘した。


さらに、大枠合意に関する日本とEU両政府の見解を紹介。「豚肉について、日本側は『差額関税制度を守ったから大丈夫だ』と説明しているが、EUの公表文書には『関税はなくなったに等しい』と書いてあり、見解は全く異なる」とし、「これからはチーズや豚肉も安くなる。それは消費者にとってはいいことだが、生産者にとっては大変なこと。所得が減少してしまう。生産者がどうなるのかも考えていただきたい」と受講者に理解を求めた。


立ちはだかるGAPの壁 輸出は簡単に伸ばせない


日本政府は2020年までに農林水産物の輸出額1兆円を目指して輸出を促進する方針。EUとのEPAにより、ほぼ全ての品目で関税撤廃を獲得し、輸出を拡大する環境を整備したとしているが、その点について鈴木教授は「政府は『農産物の輸出が期待できる』と言っているが、EUには厳しいGAPがあり、安全性の基準や環境基準などにより、日本の農産物を容易に認めない」と説明した。


その一例として、養豚に関して「食べる所と寝る所を分けて、豚舎から自由に出られるようにしなければならない基準や、一定の面積を確保しなければならない基準などがある。しかし、日本ではそれらの基準をクリアするのは難しい。そのように、できないことを要求してくる戦略は大したものだ。関税を下げても厳しいルールを作ることにより、輸出できないようにしている」と述べ、GAPが日本の輸出の妨げになるとした。


一方で、EU域内の実態については「日本に求めている基準を満たしているのは0.1%以下だ。フランスとドイツは1件もない。つまり、相手には求めても自分は守っていない。域内でも厳しくて対応できていない」と批判した。

「1~3月期のF1交配率、全国平均33%」――性選別精液の利用上昇傾向

2017-10-10

日本家畜人工授精師協会と乳用牛群検定全国協議会は9月27日、4~6月期の乳用牛への黒毛和種の交配状況と性選別精液の利用割合を公表した。それによると、全国平均交配率は33.3%で、前期(1~3月期)比0.2㌽低下、前年同期比0.1㌽上昇した。また、性選別精液の割合は12.4%で、前期比べ0.9㌽、前年同期と比べると、2.7㌽も上昇した。


北海道の黒毛和種の交配割合は21.8%で、過去最高水準だった前期に比べると低下したが、依然として高い。2014年からほぼ2割を超える水準で推移している。一方、都府県は46.54%で、前期比0.5㌽上昇した。前年同期比は0.7㌽低下した。


乳用牛への黒毛和種の交配状況が生乳生産に影響を与え始めるのは、3年後となる。

「赤松省一さん(香川)に農水大臣賞」――第35回全農酪農経営発表会を開催

2017-10-10

JA全農は9月22日、東京・港区のコクヨホールで第35回全農酪農経営体験発表会を開催した。農協などの推薦で代表に選ばれた6名の酪農家が経営技術や将来の目標を発表した。審査の結果、香川県高松市の赤松省一さん(68歳)が最優秀賞・農林水産大臣賞に輝いた。大会には全国の関係者約350名が集まった。


有限会社赤松牧場は、総頭数205頭(うち経産牛125頭)を飼養。後継牛は全て自家育成で、性判別精液を利用することで増頭のスピードを上げるとともに、効率的な牛群改良を行い、安定した経営を実現している。


また、自家産生乳を使用した乳製品を販売するジェラートショップを運営し、消費者とのコミュニケーションを図るとともに牛舎環境の美化や地域の食育にも貢献している。さらに、赤松牧場が中心になって進めた耕畜連携、循環型農業の取り組みが地域一帯に定着し、耕種農家のニーズに合わせた、たい肥を供給することで、地域の農産物の高品質化に寄与している。現在、JGAP取得と飼養頭数500頭への規模拡大を計画中。


小林信一審査委員長(日大生物資源科学部教授)は「暑熱対策では大型扇風機を利用したトンネル換気や屋根材にダブル折板工法を採用したことで、高い能力の牛群を維持し、自家育成による牛群改良によって高品質な生乳生産を行っている」と高く評価した。

「全対象店舗でバター陳列も販売制限は依然2割強が実施」――ALIC調査

2017-10-10

バター、脱脂粉乳需給が安定している状況を踏まえ、農水省は9月29日、年度内の輸入枠を変更しないことを決定した。2014年に小売店の店頭からバターが消えるなど社会問題化したが、農畜産業振興機構が、京浜・京阪神地区の合計100店舗を調査したところ、現在は全ての店で陳列している。しかし、「お一人様1点限り」など購入を制限している店舗が2割以上あり、完全にはバター不足問題は、解消していないことがうかがえる。


バター不足問題を受け、農水省は国家貿易による輸入の運用を改善。乳業メーカーは、業務用バラバターは輸入品で対応するなどの体制をとっている。それにより、製菓、製パンなどの需要者の不安は解消されている模様。

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