全酪新報/2024年9月1日号
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「計画的な飼料増産を支援、酪農経営安定対策なども継続要求」――2025年度概算要求
農水省は8月30日、総額2兆6389億円(対前年度比16.3%増)とする2025年度農林水産予算概算要求を取りまとめた。酪農関連では、酪農家や肉牛農家等の連携による計画的な飼料増産等を支援する新規事業に61億円を計上した。新たに乳用牛の長命連産性向上に資する飼養管理の普及促進も支援する。このほか、酪農経営安定対策など必要な予算も継続要求する。-詳細は全酪新報にてご覧ください-
要請する酪政連の柴田委員長(8月27日)
お断り=本記事は9月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。
「食料・農業・農村基本計画見直しへ始動、来年3月答申へ」――農水省審議会
食料・農業・農村政策審議会は8月29日に省内で同企画部会との合同会議を開き、次期食料・農業・農村基本計画の策定に向け、坂本哲志農相の諮問を受けて議論を開始した。
次期基本計画は今後、現状や課題の分析、検討の視点の整理を行うべく企画部会の中で各品目の生産・消費、備蓄、輸出・輸入等について議論を進めるとともに、地方意見交換会も実施し、広く意見を聴取する。その後、企画部会において取りまとめに向けた議論を経て、来年3月の同委員会で答申する予定。
坂本農相は挨拶の中で、次期基本計画の策定にあたり「見直しが行われるこの基本計画は改正食料・農業・農村基本法に基づく最初の計画。改正基本法に掲げた、基本理念の実現に向けて具体的な施策を集中的に実施していくために、今後5年間の施策の方向性を示す極めて重要な計画である」と強調。その上で「基本理念の実現に向けては、農業者だけでなく、食に関わる全ての事業者、地方自治体、消費者などの幅広い関係者のご理解とご支持のもと、一体となって取り組むことが大切。国民、各界各層の様々な意見をお伺いし、基本計画を実効性あるものとできるよう、議論を尽くしてまいりたい」と述べ、活発な議論を呼びかけた。
改正基本法における基本理念では、国民一人ひとりの食料安全保障を柱として、食料の安定供給について国内農業生産の増大を基本とした上で、安定的な輸入・備蓄の確保を位置付けている。また、生産基盤等確保のための輸出促進や、合理的な費用を考慮した価格形成の必要性についても新たに規定している。
同審議会の中嶋会長代理に諮問文を手渡す坂本農相
「マツダスタジアムで牛乳そんぐ&ダンス」――広島県酪農協が消費拡大運動
広島県酪農協(温泉川寛明組合長)は8月12日、広島市内の「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」で牛乳消費拡大・理解醸成運動を行った。広島東洋カープとのコラボ企画として実施したもの。
この日は広島東洋カープと横浜DeNAベイスターズの試合があり、約3万人が来場した。牛柄Tシャツを着た組合役職員をはじめ、酪農家や中国生乳販連、県内乳業各社が協力し、牛乳・乳製品をPRするリーフレットなど3300点を配布。厳しい酪農情勢や牛乳の価値、必要性を呼びかけた。試合前と5回裏には、球場オーロラビジョンで飲用を呼びかけるメッセージも発信した。
温泉川組合長は「来場者から『牛乳を飲みます』『酪農家が大変な時だと聞きました。頑張ってください』と声を掛けてもらい本当に嬉しかった。このような取組が全国に広がってほしい」と語った。
マツダスタジアムでの活動は昨年に続き2回目。広島東洋カープとのコラボは反響が大きく、県産牛乳の消費拡大を強く印象づける発信となったことから今年も取り組むこととなった。
「牛乳でスマイルプロジェクト」の一環として実施。試合直前には、県出身の姉妹アーティストMebius(メビウス)が広酪オリジナルの「牛乳そんぐ」をダンスグループ「ミルミルズ」のダンスと共に披露した
「新理事に佐藤弘、岡田征雄の両氏を選任」――全酪アカデミー・臨時社員総会
酪農への新規就農者を支援する一般社団法人全酪アカデミー(理事長=北池隆全酪連専務)は8月19日、東京・代々木の酪農会館で臨時社員総会を開催。役員の補欠選任を行い、大森一幸理事、三国貢理事が退任し、佐藤弘氏(全酪連常務)、岡田征雄氏(全国酪農協会常務)が新理事に選任された。
「特選「元気な牛」、福島・小学6年生菊池遥空さん」――第50回らくのうこどもギャラリー
全国酪農青年女性会議(中村俊介委員長)はこのほど、「第50回らくのうこどもギャラリー」の入賞作品を決定。栄えある特選には菊地遥空さん(福島県・会津若松市立鶴城小学校6年生)の作品「元気な牛」が選ばれた。今回は昨年の倍近い255点もの応募があり、特選含め12作品が入賞した。
特選に選ばれた菊地さんの作品は「清々しい青空をバックに下から見上げられた牛さんが描かれ、今年のこどもギャラリーで傑出して目を引く作品。柔らかなタッチで描かれた牛さんの毛並みや、流れを感じさせる雲の描写など、画面全体に重厚感がありながら繊細さも兼ね備えた素晴らしい作品」と高く評価された。
そのほか応募作品には、ちぎり絵のような細かな紙を張り巡らせた作品やドロッピング(インクを飛ばす技法)によって幾重にも色を重ねた作品、漫画のようなキャラクターを押し出した作品、スポンジに色を含ませスタンプを施したパターンを感じさせる作品など魅力的な応募があった。
らくのうこどもギャラリー=酪農を中心としたテーマの絵を応募するもので、4歳から中学生の生産者の子弟や酪農に興味のある一般の子どもが対象。毎回、子どもらしさあふれる温かみある作品や繊細で細やかなタッチで描かれた絵など、酪農・乳牛を描いた様々な作品が多数寄せられている。
清々しい青空を背景に描かれた元気なホルスタインの様子を表現した「元気な牛」