全酪新報/2024年5月10日号
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「2023年度の生乳生産量3%減少、コロナ禍前の水準に」――牛乳消費量は依然低調

2024-05-10

農水省が4月26日に公表した牛乳乳製品統計によると、2023年度の生乳生産量は2.7%減(うるう年修正3%減。以下同)の732万7996㌧で、2年連続で減少した。前年度以上に減少幅が拡大しており、ほぼコロナ禍前の水準まで落ち込んだ。一方、牛乳消費量は2.1%減と依然低調に推移していることから、引き続き消費拡大の取り組みが必要。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

5月10日号記事1_グラフ

お断り=本記事は5月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「全国の指定団体への出荷酪農家5.9%減少」2024年・3月――都府県は7.1%減と深刻な状況

2024-05-10

中央酪農会議が4月30日に公表した2023年度指定団体別出荷農家戸数調査によると、2024年3月時点で指定団体を通じて出荷している全国の酪農家戸数(沖縄県酪農農協含む)は、前年同月比653戸、5.9%減の1万358戸。22年度の減少率に比べるとやや減少幅は縮小したが、都府県については7.1%減と依然として深刻な状況にある。円安と国際情勢悪化による、飼料等生産コストの高騰など厳しい情勢が続いているのず要因。


調査結果を地域別に見ると、北海道の出荷戸数は4483戸で204戸、4.4%減。都府県は5875戸で449戸、7.1%減。特に都府県における減少幅が大きい。


直近5年間の推移についてみると、22年度の減少に続き2番目に大きい減少幅となっている。引き続き、輸入飼料を始めとする生産コストの急騰等の影響もあり、減少率が高い状態で、19年度と比べると2500戸以上もの酪農家が減少している。


地域別の出荷農家戸数は、東北1424戸(8.4%減)、関東1747戸(7.4%減)、北陸195戸(9.7%減)、東海483戸(7.6%減)、近畿292戸(5.2%減)、中国451戸(5.3%減)、四国214戸(6.1%減)、九州1021戸(5.6%減)、沖縄県48戸(2%減)。


特に北陸は離農が加速している状況で、約1割も前年度を下回っている。最も出荷戸数が多い関東は、19年度と比べると600戸を超える減少。次いで戸数の多い東北もおよそ490戸減った。


都道府県別では、大阪府を除く全ての地域で前年を下回り、山形、福島、埼玉、千葉、神奈川、山梨、石川、福井で1割超の酪農家が減少。このうち山梨では17.2%減と最も落ち込みが大きかった。


なお、調査における戸数の減少については、離農の発生だけでなく、系統外への切り替えも含まれる。

5月10日号記事2_表

「2月までに2万4千㌧処理」――Jミルクの脱粉在庫削減対策

2024-05-10

Jミルクはこのほど、脱脂粉乳の在庫削減対策(酪農乳業乳製品在庫調整特別対策事業)の2023年度実績状況を公表した。脱粉については2月時点までで2万4268㌧を処理しており、内訳で最も多いのが飼料転用で1万1845㌧。以下、調製品との置き換えが1万1326㌧、海外輸出向けが1097㌧となっている【下図】。23年度末で約3万3千㌧を処理する見通しとなっている。


生産者と乳業者の拠出で実施している特別対策は、22年度より2カ年連続で実施。初年度の22年度は乳製品在庫全体で3万3654㌧を処理。23年度は2万6963㌧を削減目標として設定して取り組んでいる。


23年度実績状況を見ると、2月までに脱粉と全粉乳合わせて2万4785㌧を処理。脱粉を除く製品別では、全粉乳が517㌧となっている。


特別対策は当初、2カ年(22年4月~24年3月)を実施期間としていたが、昨年の飲用向け乳価の引き上げの影響や脱粉・バター需要の跛行性など、在庫の積み増しリスクが高まり、24年度末に8万㌧を超える見通しとなっていることから今年度末まで事業を1年間延長した。今年度の脱粉在庫削減目標は1万9千㌧で、拠出金単価は生産者「35銭」、乳業者「10~35銭」。現在、関係者に対し協力を呼びかけている。

5月10日号記事3_表

「乳製品工場のある地域とない地域での加工リスクの偏在化等に課題」――第4回需給等情報交換会

2024-05-10

農水省は4月26日、省内で指定団体等生産者団体と自主流通関係者を集めた「第4回生乳の需給等に係る情報交換会」をオンライン併用で開いた。会合は非公開。後日、本紙など酪農専門紙に概要を説明した牛乳乳製品課によると、当日は前回までに上がった需給安定に関する提案や、これまでの議論を踏まえて意見交換した。季節別乳価のメリットや、乳製品工場のある地域とない地域での加工リスクの偏在化が課題といった意見が上がったほか、直近の牛乳の市場や価格動向などをめぐり意見を交わした。


前回の第3回会合では、用途別乳価を分かりやすく一物一価に見直す必要があるとの意見が上がった一方、市況に左右される諸外国のような乳価の変動は、多くの酪農家において好ましく思われていないといった意見が上がっていた。


また、需給調整のあり方に関して、英国のMMB解体に伴う一本乳価への移行から乳価が下落した事例を踏まえ「現在の脱粉・バターを需給調整弁とする仕組みを根本から変えることは非常に怖い」と懸念する声も上がっていた。


これまでの会合を踏まえ、第4回会合ではまず需給安定に関する取組について、「牛乳の消費拡大」と「生乳の需給安定」に区分して取組と課題等を整理。消費拡大に関しては、有機やA2ミルクなど新たな付加価値の創出についてサプライチェーンでの連携の場の確保や消費者ニーズの把握が必要としたほか、酪農や牛乳の価値訴求に向けて、業界全体の連携や栄養的価値など訴求点を明確化すること、効果的な広報手段等が求められるとした。


また、需給安定に関しては、乳製品工場の稼働率確保や不需要期の負担低減について、飲用牛乳の価格と供給の安定のために加工に仕向けられている現状から、需給調整コストの負担のあり方などが課題とした。次回の開催日時は未定。これまでの議論を整理するとともに、需給調整コストや牛乳の価格動向について議論を重ねる。

「㈲ティ・エッチ・ファーム代表取締役、谷秀則氏(熊本県)に旭日双光章」――2024年春の勲章

2024-05-10

農水省は4月29日付で、2024年春の勲章の受章者を発令。このうち酪農関係では、元㈲ティ・エッチ・ファーム代表取締役の谷秀則氏(70 歳、熊本県山鹿市)が旭日双光章を受章した。


このほか農業団体では、元全国農業協同組合連合会経営管理委員会会長の長澤豊氏(73歳、旭日中綬章、山形県山形市)、元ホクレン農業協同組合連合会代表理事会長の内田和幸氏(75歳、旭日双光章、北海道夕張郡長沼町)などが受章した。


伝達式は5月13日、農水省7階講堂にて14時40分から行われる。

連絡先・MAP

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(業務部・共済制度)
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