全酪新報/2024年9月10日号
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「計画的な国産飼料増産を支援、栄養収量増等に交付金」――有機飼料生産も後押し、2025年度概算要求

2024-09-10

農水省は、来年度農林水産関係予算概算要求で、地域での連携による国産飼料増産を支援する新規事業「飼料生産基盤に立脚した酪農・肉用牛産地支援」に60億5500万円を要求した。酪農・肉用牛農家などで構成する地域協議会・生産者団体が実施する計画的な飼料増産の取組に対し、1㌶当たり1万5千円以内を交付する。このほか、有機飼料生産についても支援する。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

9月10日号記事1_表

お断り=本記事は9月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「全国的な防疫体制強化へ、坂本農相がメッセージを発信」――2024年度越境性動物疾病防疫対策強化推進会議・農水省

2024-09-10

農水省は9月5日、省内講堂で2024年度越境性動物疾病防疫対策強化推進会議をオンライン併用で開催した。冒頭、ビデオメッセージを発信した坂本哲志農相は「家畜伝染病の発生時には、地域の畜産業を守るため、関係者が連携して防疫措置に万全を期すことが重要となる。本日の会議を通じて、全国的な防疫対策の強化が図られることを期待したい」と呼びかけた。当日は、会場とオンライン合わせて都道府県の家畜衛生の担当者など約530名が出席した。


会合では、動物衛生課の沖田賢治課長が高病原性鳥インフルエンザや豚熱、口蹄疫など越境性動物疾病の発生状況・防疫対策について報告。酪農関連では、昨年5月に韓国で発生した口蹄疫や、米国での乳牛における高病原性鳥インフルエンザの発生状況について報告するとともに、飼養衛生管理基準の遵守徹底など、生産現場での取組の重要性を共有した。このほか、動物衛生課所管の25年度予算概算要求の内容についても説明した。

「契約内容の確認・遵守を」――生乳取引めぐりオンライン説明会・農水省

2024-09-10

農水省は8月30日、公正取引委員会、中央酪農会議と共同で生乳の適正取引推進ガイドライン等説明会をオンラインで開催した。酪農家や組合、指定団体等を対象にしたもので、牛乳乳製品課の平田裕祐課長補佐は、安定した取引環境が牛乳・乳製品の安定供給につながることを説明。酪農家に対し「取引の安定に向け、ミルクサプライチェーン全体への理解を深めるとともに、生乳の出荷先を自らの意志で契約し、選択することが重要」と述べ、改めて契約内容の確認と遵守の必要性を強調した。


説明会は、22年6月に閣議決定された規制改革実施計画を受けて、農水省が作成した生乳の適正取引推進ガイドラインと酪農家向けパンフレットの内容の周知を目的に開催した。牛乳乳製品課と公正取引委員会がガイドラインや独占禁止法の目的等について説明。その後、出席者からの質問に答えた。


その中で、平田課長補佐は、牛乳・乳製品の安定供給に向け、生乳需給の季節変動を理解し、酪農乳業全体として安定的な生乳の取引環境の整備を進めていく重要性を説明。関係者すべてが生乳取引に係る法令を理解・遵守することで不適正な取引の未然防止につながる旨を強調した。


また、指定事業者が集乳を拒むことのできる「正当な理由」として▽季節変動を超えた増減▽短期間のみ▽申出期限を経過した後の申出▽契約数量から大幅に増減――などと説明した。

「新理事に佐藤弘、岡田征雄の両氏を選任」――全酪アカデミー・臨時社員総会

2024-09-10 9月10日号記事4_柴田輝男委員長近影

日本酪農政治連盟の柴田輝男委員長に今後の活動方針などを聞いた。近年の飼料穀物・輸入粗飼料の高騰に対し、自給飼料確保に取り組む酪農家への支援の重要性を指摘。必要な対策・予算確保に向け「今頑張っている酪農家がこの先も残っていくためにも、政府・与党に要請活動を行っていく」と意欲を述べた。本紙など酪農専門紙が共同インタビューをした。(右:柴田輝男委員長)


ロシアによるウクライナ侵攻以降、長引く円安基調により輸入飼料が高止まり、安定供給にも懸念が生じており、このままでは酪農家の離農が一層進んでしまうことは、目に見えている。酪農家戸数の減少に歯止めをかけ、生乳生産基盤を維持していく必要がある。


国産飼料、特に粗飼料増産の重要性は高まっており、世界情勢や為替相場に左右されにくい、安定した酪農経営の確立への支援が必要だ。


地域によって条件は異なり、飼料の拡大が難しい地域もあるだろう。我が家でも牧草を作っているが、最初から土地に恵まれた中でやってきたわけではなく、近隣の農家と信頼関係を築き、離農者等から声をかけていただきながら、徐々に面積を拡大してきた。


地域や人とのつながりは大切で、耕畜連携や飼料増産につながる。それにより、輸入飼料の相場に惑わされない酪農経営を構築できる。


この「つながり」というキーワードに関して、特に、今の若い酪農家に伝えたい。それは仲間を作ることがとても大切ということだ。具体的には他の地域の牧場を視察してほしい。そこでは必ず発見がある。それを自らの経営にも取り入れてほしい。共進会に参加するのも良い。仲間たちと交流を図ることで、酪農経営はより良いものとなる。


需給調整に関しては、現在農水省が指定団体と自主流通事業者等を集め、定期的に会合を開き、少しずつ前進していると承知している。需給調整に関する負担について業界全体で協力できる何らかのルールが作られることに期待したい。


今後も酪政連として誇りを持って、全国の酪農民のために、酪農・農業に理解のある国会議員と情報交換を図り、必要な対策や予算確保に向け、政府・与党に要請活動を展開していく。酪農は地域により多様な営みがある。全国の委員の意見を聞きながら、進んでいきたい。


略歴


1951年生まれ、秋田県出身。70年に秋田県立大曲農業高校畜産科卒業後、北海道で1年間の実習を経て72年に就農。秋田県酪農連盟会長、日本酪農政治連盟東北ブロック協議会会長を現任。2018年に日本酪農政治連盟副委員長、今年7月に同委員長に就任。05年10月に全国優良畜産経営管理技術発表会最優秀賞受賞、06年11月には農林水産祭天皇杯(畜産部門)を受賞している。

「特選「おうちへ帰ろう」、宮城・茂木幹司さん」――第14回酪農いきいきフォトコンテスト

2024-09-10

全国酪農青年女性会議はこのほど、酪農家が撮影した写真を対象とする恒例の「第14回酪農いきいきフォトコンテスト」の結果を公表。特選には宮城県石巻市の茂木幹司さん(宮城県酪農協所属)の作品「おうちへ帰ろう」が輝いた。今回の応募総数は46点。特選を含め6点が入賞した。


同作品は、茂木さんの妻・梨恵さんが牛舎に帰りたくない子牛のティアラちゃんを連れている様子を撮影したもの。


茂木さんはこの時のことを「牛舎にはやく帰ってきてほしかったが、ティアラがとても楽しそうにはしゃいでいたので思わずスマホで撮影した」と話す。


普段から愛情をかけて育てている牛たちの表情を記録に残すために写真を撮るという茂木さん。特選という結果を受けて「まさか自分が選ばれるとは思わなかった。この写真を見て改めて思うが、大好きな牛たちと一緒に仕事を続けることができて本当に幸せだと思う。厳しい情勢で苦渋の決断をしてきた酪友のためにも、酪農に明るい未来がくるように頑張っていきたい」と思いを語った。


酪農いきいきフォトコンテスト=同会議が酪農家の撮影した写真を対象に毎年行っているもの。特選をはじめ入賞作品は、同会議が例年開催している全国大会中に来場者の投票で選出する。


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特選に選ばれた宮城県・茂木幹司さんの「おうちへ帰ろう」

連絡先・MAP

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所在地 〒151-0053
東京都渋谷区代々木1-37-2
酪農会館5階
電話番号 代表(総務部):03-3370-5341
(業務部・共済制度)
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(指導部・全酪新報編集部)
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