牛乳乳製品に関するニュース
「牛乳飲んで歯を健康に」―生活習慣病の予防にも効果―健康科学大学の折茂肇学長がJミルクのセミナーで報告
牛乳乳製品を摂取することで、骨粗しょう症だけでなく、生活習慣病の予防にも効果があることが分かった。(社)日本酪農乳業協会(本田浩次会長)は6月4日、報道関係者などを対象に第23回メディアミルクセミナーを開催した。
セミナーでは「牛乳を飲んで歯を健康に」と題して山梨県の健康科学大学の折茂肇学長(医学博士)が牛乳・乳製品の摂取は「骨粗しょう症だけでなく生活習慣病の予防効果もある」ことを強調。折茂学長は「歯と骨の健康は密接な関係がある。あまり知られていないが歯周病は生活習慣病であり、肥満・糖尿病・動脈硬化との密接な因果関係がある」と説明した。
同氏は老年学(医学博士)の世界的な研究者で近年は牛乳乳製品健康科学会議の会長としてエセ学者の牛乳乳製品悪玉論に対して科学的な反論を行ったことでも知られる。セミナーで折茂学長は「骨と歯の健康研究では歯周病と骨粗しょう症の共通リスクとして加齢、喫煙とカルシウム、ビタミンD不足があり、その結果、骨密度の低下や歯周骨の消失による歯の消失となる。骨密度と歯周病の関連については各種の長期調査で証明されている」と説明した。
また、老年学の研究により高齢者が歯周病で歯を消失した場合は、咀嚼機能の減退につながり、高齢者の栄養問題に結びつくことも指摘した。
折茂学長は「近年、歯周病は複数の生活習慣が発症や進行に関与している生活習慣病(Ⅱ型糖尿病、脂質異常、高血圧、動脈硬化)の一種であるとされ、歯周病の予防には牛乳・乳製品を摂取することが効果があることが国内外の長期研究で実証されている」と述べた。
このほか、虫歯(う蝕)の予防でも牛乳・乳製品の摂取効果があることがWHOでも認められ、予防効果のある食品の一つとして牛乳乳製品が「可能性あり」と推奨されている。その予防の仕組みは①虫歯の原因菌が産生した酸を牛乳・乳製品が中和する②摂取によりアルカリ性の唾液分泌を促進される③歯の表面での歯垢が形成阻止される――ことを理由に挙げて「歯のエナメル質再石灰化の促進にある」とその理由を述べた。