乳滴/2025年6月20日号
酪農共済の給付実績

若干古めのデータではあるが、1990年~2021年の約30年間で、日本の平均寿命は5.8年延びて85.2歳となった。一方で、都道府県別にみた平均寿命最長と最短の差が拡大したとの分析結果を、慶應大学などのチームがまとめて英医学誌に発表した。90年には2.3年だった差が21年には2.9年に広がった(最長=滋賀県86.3歳、最短=青森県83.4歳)。
約30年間に死亡率(年間調整死亡率)は41.2%減少したが、脳卒中、虚血性心疾患による死亡率の低下によるものとみられている。
健康上の問題がなく生活できる健康寿命と、平均寿命の差も90年の9.9歳から21年には11.3歳に拡大した。医学の進歩で死亡率は低下したものの「健康な長寿」の実現が課題となっている。
酪農共済の給付実績をみると、一般の生命保険と比べて成人病関係の給付が少ないという特長がある。体を動かす仕事のためか。さらに牛乳飲用の効果もあるかも。
酪農家の老後は、勤め人のそれと比べて健康的で元気なのではと筆者は思う。
ただし残念ながら、ケガによる給付が多い。今まさに自給飼料生産などの農作業で非常に多忙な季節である。健康的な老後のためにも、くれぐれも農作業事故には注意したい。