乳滴/2025年7月10日号
広い共進会場で偶然

第16回全共まであと4カ月を切った。筆者は以前、北海道の搾乳用素牛斡旋業務をしていた関係もあり、平成7年千葉全共以降は全て足を運び、それぞれ思い出がある。
なかでも当時所属していた団体の会長に同行した前回北海道全共は印象深い。昔、初妊牛庭先購買の仕事で一緒に道内を回ったことがあり、筆者がカバン持ちに選ばれたようだ。
共進会場では、昔のように2人で各出品牛の評価や蘊蓄を言いながら、ショウを楽しんでいた。
第6部、若い経産牛の時だったか、2人とも同じ牛を非常に気に入り(会長と筆者の牛の好みが似ていた)その牛が1番だろうと話していた。
しかし最初に6番目に並べられ、序列がおかしいなどと言ってたら、最終的に優等賞2席に。優等賞1席の牛と比べ「乳房の付着と幅?、それとも審査員の好みの差?」などと2人で言いつつ、会長が隣の席の見知らぬ方に「2席の牛のほうが良いですよね」と声を掛けた。すると「うちの牛、高く評価してくれてありがとう!」と笑顔が返ってきた。
広い満席の共進会場の中での偶然の出会いにびっくりして、会長とはいつもこの時の話題で盛り上がったものだった。
その会長も退任されたが、全共を通じた会長との良い思い出だ。