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プロバイオティク乳酸菌(ガゼリ菌SP株)に内臓脂肪の蓄積抑制作用―雪印メグミルク㈱が学会で研究発表
雪印メグミルク㈱は同社保有のプロバイオティク乳酸菌「Lactobacillus gasseri SBT2055」㈱(ガゼリSP株)に内蔵脂肪蓄積に対する抑制作用があることを公表した。去る9月28日に札幌市で開催された12年度日本生物工学会北日本支部札幌シンポジウムで研究発表したもの。
それによると、同社では多くの菌株の中から、プロバイオティクスの一つとしてガゼリ菌SP株を選抜し、機能性研究を行ってきた。ガゼリ菌SP株には、ヒト消化管内における定住性(生きて届いて長くとどまる)、有害菌・有害物質の低減による整腸作用、LDLコレステロール低下による脂質代謝改善作用等を示すが、さらに検討を進め、内臓脂肪の蓄積抑制作用について検討を行った。
カゼリ菌SP株を含む発酵乳を配合した10%脂肪含有飼料をラットに摂食させたところ、同菌を含まない飼料に比べて腸間膜における脂肪細胞の肥大化が抑制されることが示された。次にBMI(ボディマス指数)が高めで肥満傾向にある健常成人を対象に、ガセリ菌SP株を含む発酵乳の摂取試験を実施したところ、ガゼリ菌SP株を含まない発酵乳を摂取した場合に比べ、内臓脂肪面積が有意に減少した。
さらにカゼリSP株の含有量を変えて有効性を検証したところ、プロバイオティクスで一般的に推奨される菌数レベルで効果を有することが確認されたと報告した。