全酪新報/2021年3月20日号
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「中酪、脱粉・バター対策」――基準超過分に補てん・輸送経費増高分も一部助成

2021-03-20

中央酪農会議は3月10日に開いた理事会で、生乳生産量が上振れする春先の生乳需給と年末の不需要期に備えた対策の実施を決めた。コロナ禍に伴う「想定外の急激な需給緩和時」においても処理不可能乳の発生を防ぐため、需給リスクの平準化を通じて酪農経営や生乳需給の安定を図る。都府県の平均的な加工の上昇率を超えた脱脂粉乳・バター等向け生乳を対象に補てん金を助成するほか、広域調整に要した掛かり増し輸送経費の増高分の一部を助成する。対象期間は21年4~5月及び21年12月~22年3月としている。-詳細は全酪新報3月20日号にてご覧ください-

お断り=本記事は3月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「2021~23年度、3年間生乳増産・維持」――中酪・中期生乳需給安定化対策

2021-03-20

中酪は3月10日、理事会及び臨時会員総会を開き、「21~23年度の3年間は生乳の『増産・維持』」とする中期生乳需給安定化対策を決定した。業務用需要の減退など影響が見通せない一方、今期(18~20年度)に引き続き生乳の増産・維持を推進することで、需要期の安定供給や生産者の計画的な生乳生産、経営安定を図る。


なお、21年度の生乳需給調整対策は同中期対策に基づき、生乳生産の増産・維持を目指す方針。今年度同様、各指定団体がまとめた年間販売計画の総量を全国の21年度の出荷目標数量として設定する。基本的な枠組みに変更はない。

「JA全中、不断の自己改革実践」――中家会長が定例会見で強調

2021-03-20

JA全中は3月5日に臨時総会を開き、来年度の事業計画や予算を審議・承認。「JAグループの『不断の自己改革』の実践に関する特別決議」も採択した。自己改革の問題をめぐり、同日午後の定例会見で中家徹会長は「引き続きJAグループを挙げて農業者の所得増大、農業生産の拡大、地域の活性化の基本目標の実現に向けて、不断の自己改革を実践していくことを確認した」と述べ、全中としても自己改革のために、持続可能なJA経営基盤の確立・強化に取り組んでいく姿勢を強調した。


また、改正農協法の施行から約5年を迎え、政府による見直しの検討が進められているなか、会見で中家会長は准組合員の利用規制をめぐる問題について言及。「准組合員は農業応援団と認識している」と述べた上で、論議の動向に注視していく姿勢を示した。

「遮熱・断熱塗料で乳量維持、繁殖が向上」――暑熱対策特集

2021-03-20

夏の暑さは牛舎では大変な作業負担となるだけではなく、乳牛にとっても大きなストレスだ。今号では夏場の暑熱対策の一助として、遮熱・断熱塗料を牛舎屋根に塗装して乳牛の健康や乳量維持、繁殖成績の向上などに取り組んでいる愛知県の小池真悟さんと千葉県の松本光正さんにおける取組事例を紹介する。また、塗料を販売するメーカーから製品のメリット等についても合わせて話を聞いた。-詳細は全酪新報3月20日号にてご覧ください-

「生乳生産量を考える」その2『経産牛頭数』――畜産・飼料調査所「御影庵」主宰・阿部亮

2021-03-20

今回は生乳生産量に関して、経産牛の頭数を中心としながら日本の酪農勢力を多面的に捉えた内容としたい。表には2004年以降の過去16年間の生乳生産量、経産牛頭数、酪農家戸数、経産牛1頭あたりの乳量を示したが、先ず最初に表下段の生乳生産量算出の推定式を見てほしい。生乳生産量(y)と経産牛頭数(x1)と経産牛乳量(x2)の3つの変数の間で計算した重回帰式で、この式がどんな意味を持つのか。


例えばこう考える。昨年の3月に出された酪肉近では、10年後の生乳生産量の目標を780万㌧と定めた。そこで次の課題は10年後、経産牛の頭数と乳量がどのくらいの数と量であれば国全体、あるいは各地域に割り振られている目標生乳生産量を達成出来るのかということになる。この式を念頭に置くことでそういった計画が立てられる。この重回帰式の決定係数は0.986。つまり生乳生産量はこの二つの変数により98.6%が説明出来るということになる。精度が高い式と考えてよいだろう。


今回はこの変数の一つである経産牛の頭数をテーマとした。経産牛の頭数は2004年を基点とすると、この15年間で約25万頭減少。経産牛頭数のバックボーンである酪農家戸数は表の下に記したように、年率904戸の直線的な減少で経過してきた。経産牛頭数と酪農家戸数との間にも当然のことながら密接な関係がある。同じく表下段に示した04~19年までの両者の間の一次回帰式は、戸数が経産牛の飼養頭数を強く支配し、1戸の増減で18頭の変化をもたらすことを示している。


3月20日号記事5-表1

しかし、20年の畜産統計ではこの傾向が崩れた。前年までの回帰式を用いて20年の戸数1万4400戸から経産牛頭数を計算すると、82万3千頭と前年度よりも1万6千頭減少しているはずだが、実数では300頭減と踏ん張っている。酪農界にとって大切なことなので、19年と20年の諸数値を詳しく見てみよう。


乳牛の総頭数は133万2千頭が135万2千頭と2万頭増えている。経産牛は上記したように300頭の減だが、2歳未満の未経産牛、つまり子牛が2万900頭増えている。子牛の増頭数は北海道が2万7100頭で都府県がマイナス6200頭、収支でプラス2万900頭。経産牛予備群が増えているのだからこれは朗報だ。今年の2月1日の調査結果は夏に公表されるので、この節目の変わりが継続されることを今は願っている。


この変化には酪農家の飼養頭数規模が影響している。19年の1戸当たりの飼養頭数は88.8頭だが、これに変化がなかったとしたら、20年の酪農家戸数1万4400戸での飼養頭数は127万8720頭で、前年より5万3千頭の減になっていたはず。19年と同数の頭数を維持した場合、20年の規模は1戸あたり92.5頭が必要だったが、20年の1戸当たり飼養頭数(実数)は93.9頭。1.4頭のプラス分で酪農家戸数の減少を補って余りある頭数を生み出したということになる。


戸数の減少継続の中では、1戸当たりの飼養頭数規模が酪農勢力の決定要素としてこれからも重要になりそうだが、これについては二つの側面を注視してみた。一つは地域差、もう一つはメガ・ギガファームだ。


先ず、20年の都道府県の1戸当たり飼養頭数の分布を見ると、平均は93.9頭だが、変動範囲が最多の三重県の173.1頭、最少の神奈川県の31.5頭と大きい。100頭以上が4地域、70頭台が11地域、50頭台が12地域、30頭台が4地域といった具合だ。


さらに地域的な差違を見るために今回、都府県における17~20年の4年間での1戸当たり飼養頭数の変化をパターン分析した。その結果、以下の4類型に分けることができた。


類型1は、西暦年と1戸当たりの飼養頭数との間には0.97~0.99の高い相関があり、コンスタントに規模拡大が続く地域(15府県)。類型2は頭数の増加が少ない、あるいは停滞の年もあるが20年の19年に対する増加数が3.5~15.2頭と多い地域(14県)。類型3は頭数が前年度より少ない、あるいは停滞の年もあり、20年の19年に対する増加数が1.0~2.5頭と多くはない地域(9都県)。類型4は頭数が前年よりも少ない、あるいはマイナスの地域(8県)だ。


次にメガ・ギガファームを見てみよう。年間の生乳生産量が1千㌧以上で経産牛を100頭以上飼養している農場をメガファーム、その10倍以上の規模の農場をギガファームと言っている。経産牛頭数が400頭とか600頭とか、1千頭という農場のレポートを読んだこともあるが、20年の経産牛頭数では福井県が700頭、和歌山県が520頭なので、一つの県と匹敵するかそれ以上の頭数を1農場で飼養している場合もあるわけだ。


農林水産長期金融協会の報告書では、メガファームの種類として「家族経営の延長線上に外部労働力を活用しての規模拡大」「数戸の家族経営が合併しメガファームとして再出発」「企業的な経営でのメガファームの実現」――を挙げている。ここで考えるべきは酪農経営の多様性で、各地域に種々の経営規模の酪農家が存在しているが、その分布、規模数別の比率はどのような姿なのか。


それを筆者の住む十勝地方で見た(十勝農協連・19年十勝畜産統計)。出荷乳量と経産牛の平均乳量から経産牛の飼養頭数規模を計算し、それぞれに含まれる戸数比率を見ると、31.6頭以下が16.3%、31.7~52.6頭が20.3%、52.7~84.2頭が23.9%、84.3~105.3頭が8.5%、105.4~210.5頭が22.3%、210.6頭以上が8.7%で、平均値は116頭。大中小が入り交じった状況で、多様性はありと考えてよいだろうが、2001㌧以上(経産牛210.6頭以上)の比率は11年の62戸、4.3%が19年には97戸、8.7%と増加傾向にある。


異なる規模の酪農家はそれぞれに社会経済的な機能を持ち、それ故にそれぞれの経営には存在意義があるが、十勝と同様、全国的にこれからも大規模農場が出荷乳量で力を増し、酪農界の中で大きな地位を占めるようになりそうだ。そのため、多様性を維持するためには小農の存在が大きなカギをにぎることになる。


(20日号に月1回掲載)

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