全酪新報/2021年4月1日号
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「規制改革推進会議、生乳流通改革進捗を議論」――見直し求める意見相次ぐ

2021-04-01

政府の規制改革推進会議の農林水産ワーキンググループ(WG)は3月19日、オンラインで会合を開き、生乳流通改革の進捗状況の検証をめぐり議論。委員からは改革が不十分として、取引状況の透明性確保に必要な制度の検討や不公正な取引の実態調査及び防止の取組、違反事例集の撤回などにより、生乳流通事業者の適正な競争環境の整備に向けて制度のさらなる見直しを求める意見が相次いだ。会合は非公開。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は4月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「野上農相、生乳流通改革めぐり言及」――制度改正の趣旨徹底を

2021-04-01

規制改革推進会議が3月19日に行った生乳流通改革の検証論議をめぐり、野上浩太郎農相は同23日の定例会見で、適正な競争が成立しない場合の生乳流通事業者の競争を促す「対応例」の一つとして、指定団体の分割が議論に上がったことについて言及。指定団体制度が適切に機能してきた経緯をふまえ「慎重な議論が必要だ」との認識を強調した上で、農水省としても制度改正の趣旨が徹底されるよう適切に対応していく考えを示した。


また、19日の同会議の会合で委員から、不公正な生乳取引の防止、透明性確保のための制度の検討などを求める多くの意見を受けたことに対し、野上農相は「(畜安法改正により)前向きな取組が進んでいるものと認識しているが、(19日の会議で事務局から説明のあった)不公正な取引事例については、農水省として承知していないものであることから、まずは実態の事実関係を調査し、その上で課題を見極めて対応を検討していく」との考えを示した。

「全酪連が乳配価格5400円値上げ」――中国需要増で価格高止まり、影響に懸念

2021-04-01

全酪連は3月22日、4~6月期の牛用配合飼料価格を前期(1~3月期)に比べ、全銘柄平均1㌧あたり5400円値上げすると発表した。トウモロコシや大豆粕の国際価格(シカゴ相場)の高騰、海上輸送需要の急増や原油相場の急騰などが主な要因。いずれも中国による大量需要を背景に飼料原料の期末在庫は減少しており、価格は今後も高止まりが見込まれている。配合飼料価格の値上げは3期連続。20年10~12月期は1800円、21年1~3月期は3900円上昇し、20年10月からの上げ幅は1万1100円と経営に与える影響は大きい。また、哺育飼料価格は中国を中心に需要が高く1㌧当たり2万5千円値上げする。


トウモロコシのシカゴ相場をみると、12月上旬には420セント/ブッシェル前後で推移していたが、米国産トウモロコシの中国による大量需要や生産量減少による期末在庫の低水準に加え、南米産の作付けが遅れていることが影響。3月発表時点で約540セント/ブッシェルまで上昇している。


一方、大豆粕の価格は12月上旬には420㌦/㌧前後で推移していたが、期末在庫が低水準となったことや南米産の乾燥天候による作柄悪化の懸念等から高騰。1月には500㌦/㌧まで高騰したが、南米産地で新穀大豆の収穫が始まったことによりやや軟化し、3月現在では450㌦前後となっている。


また、海上運賃は11月には約45㌦/㌧で推移していたものの、中国向けをはじめとした旺盛な穀物輸出需要や世界的な寒波による石炭輸送需要の急増、原油相場の高騰などにより上昇。3月では約60㌦/㌧で推移しており、今後も輸送需要の増加が見込まれることや原油価格相場が上昇していることから堅調に推移する見通し。


一方、JA全農は19日、4~6月期の配合飼料価格を全国全畜種総平均1㌧あたり5500円値上げすると発表した。高騰の要因は全酪連の配合飼料価格と同様。改定額は地域別、畜種別、銘柄別に異なる。

「ホクレン、2021年度乳価は全用途据え置きで合意」――在庫解消へ出口対策実施

2021-04-01

ホクレンは3月23日、2021年度の用途別原料乳価格について、大手・中堅乳業者15社との協議の結果、全用途据え置きで決着したと発表した。据え置きは2年連続、4月1日取引分から適用する。一方、今年度は新型コロナの影響による国内乳製品在庫の急増をふまえ、在庫の解消と道産生乳の需要確保に向け、輸入乳製品との置き換え等への支援として生乳販売対策(80億円)を実施する。それにより、21年度のプール乳価は20年度に比べ、「1㌔当たり2円程度」のマイナスを想定している。


生乳販売対策は、輸入乳製品から国産乳製品への置き換えに必要な経費を補てんするもの。「輸入チーズから国産チーズへの置き換え」「粉乳調整品等の国産脱脂粉乳・バターへの置き換え」などを中心に置換対策を講じる。


21年度の乳価は、全取引先(約140社)のうち、大手・中堅乳業者15社と合意したもの。今後、そのほか乳業者との交渉を進め、全ての取引乳業者との合意を図る方針としている。

まきばの四季⑫(最終回)「春は必ず来る」 酪農家・佐藤博久(秋田県鹿角市)

2021-04-01 まきばの四季_12

東日本大震災から10年、歳月の流れは本当に早い。先日、TVで当時の映像を伝えていましたが津波災害の恐ろしさは忘れられません。そして新型コロナの災いが2年目を進んでいる今、奮闘している様々な業種の姿が見えてきました。終息すれば世の中どんなに活気付くことでしょう。


それにしてもアメリカの感染者と犠牲者の数はケタ違いで驚きです。私は2004年、アメリカ・カナダの視察研修に参加しました。初めての北米大陸。空港からバスでハイウエイを何時間乗っても見渡す限り広がるコーン畑。休憩時にバスを降りると渡る風にも乾いたコーンの匂い。その光景は夕日が沈む果てまで続きました。郷愁を誘う景色でしたが、ふと「この広大な国土が強大なアメリカそのものなのだ」と思いました。私が見たのはこの国のほんの一部だけ。こんな大国とかつての日本は戦争をした、かなうわけはなく相手になるはずもないとしみじみ想いました。


肥料、種子、飼料穀物、農機具、燃料など農業生産の基礎の大部分を輸入に頼っている我々日本の農業(農家)は価格競争ではかなわない。そんな現実を実感したのです。


そして今、私たち日本の酪農家がおかれている状況。TPP11、日EU・EPAが発効4年目、日米貿易協定は発効2年目に入りました。TPP11ではホエイ、チーズ(チェダー、ゴーダ、クリームチーズ)はそれぞれ一定の期間経過後、関税が撤廃。牛肉はいずれの協定も最終的に9%まで関税削減されます。詳細な分析は専門家にお任せしますが、いずれ私たちの生産物の価格に悪影響を及ぼすはずで、輸入穀物価格の変動や地球温暖化も含め、とても気になります。


そんな私たち酪農家の仕事も時代の流れとともに変わり、乾草収穫にしてもバラ積み(私の青春時代、北海道での実習もそうだった)からコンパクトベーラー(子育て中で手伝わせた)へ。やがてロールベーラー(草地も拡大)になり適期収穫ができ、面積もこなせて仕事も非常に楽になりました。真冬は外の仕事がない分ゆっくり。厄介な雪ですが「冬休みができよかった」と思う。春に植える花や野菜の種子選びを楽しんでいる今が一番楽しく、やがて来る遅い春が待ち遠しいのです。コロナ禍で自粛が続いていますが、牛とともにいる私たちは、牛のおかげで平穏な生活ができ、本当にありがたい。


酪農の基本は土作り、草作り、牛作りであると昔も今も言います。健康に牛を飼い乳を搾る。一頭を大切に飼う。その技の積み重ねが大事なことはたとえ10頭でも、100頭でも変わらないはずです。(頭数が多くなれば、なお斉一性が求められますが)


これから先、たとえ小規模でも大型経営でも、自給粗飼料に基づいた循環型経営であれば、これからも安定した経営が続くと思います。そのなかで気になるのが酪農家の減少と、農村の過疎化が止まらないという現実。少子化で、地方では小・中・高校の統廃合が驚くほど進んでいます。私たちの高齢化も確実に進みます。


私は食べ物ひとつ贅沢しなかった質素な時代を経験し、昭和、平成、令和と夢中で働いてきました。そして今、食べ物は豊富で、お金さえあれば何でも買える世の中になりました。県境に接し人里離れた当地はTV難聴地帯でしたが、地上波デジタル放送開始時に光回線が通じ、世間並みに地元TVが映るようになりました。気付けば、パソコンと同じことができるスマホを常に持ち歩き、ネットの買い物が宅配便で届く。そんな便利な情報社会に暮らしています。


今、コロナ禍で私たちの生活形態が変わりつつありますが、この先、世の中がどんなに進歩、変化したとしても、私たち人間は食物なしでは暮らしてゆけず、その食料を生産しているのが私たち農家であり、これは誇れることだと思う。


これからも皆で知恵を結集して次の時代へと進んで行きましょう。さらに進歩し、ますます面白くなって来る(はず)。そんな世の中を自分の目で見てみたいと思っています。


当地、北国はまだ残雪ですが、いつものように春は必ず来る。少しの辛抱、春を待ちましょう。


佐藤牧場 成牛47頭、育成子牛35頭、和牛繁殖7頭。草地66㌶。本連載は今回で終了となりますが、公式ウェブサイトで引き続き近況が見られます。(「秋田 佐藤牧場」で検索)

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