全酪新報/2021年9月1日号
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「22年度予算概算要求、畜産ICTなど継続要求」――酪農経営安定対策は今年度と同額

2021-09-01

農水省は8月31日、22年度農林水産予算総額2兆6842億円(16.4%増)とする概算要求案を取りまとめた。酪農関連では、酪農経営安定対策に今年度同額の437億円、酪農家の労働負担軽減・省力化を後押しする畜産ICT事業に13億円など必要な予算を継続要求する。また、環境負荷軽減型持続的生産支援事業(73億円の内数)を実施し、水田を活用した青刈りトウモロコシ等の国産飼料の生産拡大も支援していく方針。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は9月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「乳製品在庫への対応求める声多数」――自民党酪政会が総会

2021-09-01

酪政連は8月26日、自民党酪政会(森英介会長)が開いた総会で22年度の酪農政策・予算確保に関して要請した。酪政連の佐藤哲委員長は過剰になっている乳製品在庫について「12~1月に非常に危機的な状況になることを懸念している」と指摘。また、副委員長や議員からも乳製品在庫への対応を求める声が上がった。


総会では佐藤委員長をはじめ、各地域の委員も在庫対策に言及。「高水準な乳製品在庫が解決されないと増産に注力できない」(秋田・柴田輝男副委員長)、「乳製品在庫が適正水準にならないと乳価交渉に動きだせない」(埼玉・木本栄一副委員長)、「緊急事態宣言の追加により分散登校等で学乳供給がない学校がある。緊急的な消費拡大対策を講じないとさらに積み増すし、乳価交渉も厳しいものとなる」(岐阜・朝日修副委員長)、「家族経営が1戸でも減少しない対策をお願いしたい」(長崎・宮本貞治郎副委員長)といった意見が上がった。


また、議員からも「コロナから回復しても胃袋は2倍にはならず、過去最高の在庫は非常に深刻。生産調整をすることがないよう対策してほしい」(宮崎・長峯誠参議)、「作りすぎでなく、コロナ禍により在庫が増えており、行政がしっかり手当てする必要がある」(茨城・上月良祐参議)との声が上がった。

「酪政連、ヘルパー対策、乳製品過剰対策の拡充要請」――22年度酪農政策・予算へ協議

2021-09-01

酪政連は8月26日、都内で中央委員会を開き、22年度酪農政策・予算確保に向けて協議した。来年度は酪農ヘルパー対策や経営継承対策の拡充、鳥獣被害対策などを引き続き要請する。委員からは、過剰在庫への対応やヘルパー対策などへの要望が多く上がった。


22年度の主な要請事項は①補給金制度対策②親元就農支援や酪農ヘルパー対策など担い手確保の充実③鳥獣被害対策の拡充――など計8項目。会合後、本紙など専門紙の取材に応じた佐藤哲委員長は乳製品の過剰在庫への対応について「要望内容は継続協議として模索中。酪農が増産基調を維持したまま維持・発展できるよう、要請を進めていきたい」との考えを示した。


中央委員会ではこのほか、会員から変更届のあった役員を一部改選。全酪連の隈部洋会長が常任顧問に就任。また、新たに7名を中央委員に選任した。

「2020年度食料自給率1㌽低下、過去最低値に」――牛乳・乳製品は2㌽上昇

2021-09-01

農水省は8月25日、2020年度の食料自給率を公表した。カロリーベースの自給率はコメの長期的な需要減等を背景に、19年度より1㌽低下の37%。小数点でみると37.17%(19年度値37.33%)で、統計記録のある1945年以降で過去最低値となった。一方、品目別自給率(重量ベース、飼料自給率を反映しない)でみると、コロナ禍における家庭消費増等に伴う生産増により畜産物はそれぞれの品目で上昇。牛乳・乳製品も低下傾向が続いていたものの、20年度は59%から61%と2㌽上昇した。なお、全体の生産額ベースの自給率は、豚肉や鶏肉等の国内生産額増や輸入額減などにより1㌽上昇の67%だった。


19年度末に策定した食料・農業・農村基本計画では、30年度目標の自給率としてカロリーベースで45%、生産額ベースで75%と設定。その目標達成に向け、同日に開いた記者会見で農水省は「食料生産現場の実情をよく消費者の方々に理解してもらい、国産品を選んでいただくことが重要」(大臣官房政策課食料安全保障室)として、消費拡大の取組の重要性を改めて強調した。

「牧場で輝く家畜の命」連載④ 瀧見明花里さんの写真エッセイ

2021-09-01
牧場で輝く家畜の命④ A

酪農学園大学キャンパス内の牧草地(北海道江別市)

牧場で輝く家畜の命④ B

額のハートマークが印象的な“推しメン”

ビューン。酪大の放牧地の奥にはいくつもの車が忙しなく走っています。今日はいつもと少し違った風景での撮影。


みどりの景色が広がるなか「ここがいつもの場所」と言わんばかりに土の上でリラックスする牛さんグループ。そんな様子を眺めていると、ひときわ可愛いお顔の子を見つけました。「モデルになってくれますか?」と問いかけると、お目々をパチクリさせる“推しメン”。ターゲットを絞り、土の上から移動する時を待つことに。


哺乳舎での撮影を終えて外をみると、草を目がけて1頭、また1頭と歩き始めていました。ゆっくりと重い腰を上げ、ようやく最後の1頭に。ポツンと取り残されたお顔を拝見すると、先ほどの推しメンです。「あなただけ立たないの?」と、そのマイペースさに思わず笑ってしまいます。その後も不動を貫き通すモデル候補。動いて欲しいと思いつつ、性格までも可愛いことに「さすが推しメン」と納得し、他の牛さんを撮影したのでした。(全酪新報では毎月1日号に掲載しています)


プロフィール


瀧見明花里(AKAPPLE)


農業に触れるためニュージーランドへ1年3ヶ月渡航。2017年より独立。『「いただきます」を世界共通語へ』をコンセプトに、牛、豚、鶏をはじめとする家畜動物を撮影、発表。家畜の命について考えるきっかけを届けている。


※写真の無断使用はご遠慮下さい

https://photographer-akapple29.com/

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