全酪新報/2022年5月10日号
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「2021年度生乳統計、生乳生産量2.9%増」――北海道、都府県3年連続増加も、需給に懸念

2022-05-10

農水省が4月25日に公表した牛乳乳製品統計によると、2021年度の生乳生産量は764万6519㌧で対前年度比2.9%増加した(速報値)。北海道と都府県ともに3年連続で増加。北海道は過去最高を更新した。現在は大幅な需給緩和から、高水準で推移する脱脂粉乳在庫の問題や引き続き新型コロナ禍の影響もあるが、夏場の天候次第では、一時的にひっ迫など今後の需給が懸念される。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は5月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「政府、配合飼料価格対策へ435億円」――異常補填の積み増し支援・発動基準も引き下げ

2022-05-10

飼料原料の高騰や配合飼料価格安定制度の財源対策として、政府は4月28日、「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」の中で2022年度一般予備費として434億8100万円を措置した。異常補填金の所要額積み増しに充てる形で支援する。


また、高騰時も制度が発動しやすくなるよう特別措置として22年度第1~第2四半期(4~6、7~9月期)のみ異常補填の発動基準を従来の「115%」から「112.5%」へ引き下げた(図)。


同事業ではこのほか、ALIC事業でも236億6900万円を措置。配合飼料メーカーが異常補填財源のみ積み立てを完了するまでのつなぎ資金などへ活用する。


今回措置した異常補填の発動基準の引き下げについて、4月27日の記者会見で畜産局の冨澤宗高飼料課長は「飼料高騰前と比べ、現在は輸入飼料原料価格が1㌧当たり6千円を超えないと115%を超えず、異常補填が発動しにくい状況になっている。通常補填の負担が大きくなる状況を緩和できるように、1㌧当たり5千円を超えた場合でも発動できるよう引き下げた」と説明。また、今後の見通しについて「4~6月期については確実に支払いできると見込んでいる。一方、トウモロコシの国際相場や為替水準が不透明なため、それ以降の見通しは断言できない」との認識を示した。


5月10日号記事2-図

「(株)ピュアライン、一部商品を価格据置き」――酪農経営の負担を軽減

2022-05-10

酪農関連機器の輸入・販売等の事業を展開する㈱ピュアライン(健名孝司代表取締役会長)は現在、ライナーなど一部商品の2022年度価格を据え置きで提供している。ウクライナ情勢等を背景とする資材などコストの上昇により、多くの企業が価格転嫁の形でコスト対応を図るなか、同社では「酪農家のため、毎日使うものこそ値段はそのままで提供したい」という理念のもと、酪農経営の負担軽減に努めている。


定期的な交換が必要なライナー、日々の清掃で必要な洗剤など5商品が対象。なお、同社ではライナーに関しては10年以上値上げしていない。健名会長は「毎日使うものだけは少なくとも据え置きとし、それに準じて他業者も価格を上げないところがでてくれば、それが酪農家のためになる」との思いを強調した。

「菊池一郎氏(栃木)に旭日双光章原、原浅之氏(徳島)と池田忠雄氏(千葉)に黄綬褒章」――22年春の叙勲・褒章

2022-05-10

農水省は4月29日付で2022年春の叙勲・褒章の受章者を発令した。酪農関係では、菊池一郎氏(74歳、関東生乳販連会長、元酪農とちぎ農協組合長、栃木県那須烏山市)が旭日双光章を受章した。


また、原浅之氏(73歳、㈲原牧場社長、四国生乳販連会長、徳島県酪農協組合長、徳島県阿波市)と池田忠雄氏(73歳、元房南酪農協組合長、千葉県南房総市)が黄綬褒章を受章した。例年行われている伝達式(農水省)ならびに拝謁(皇居)は、新型コロナ禍の影響を踏まえ、昨年に続き今年も行わない。

Jミルク・国際酪農乳業情報レポート、SDGs への貢献と課題――「第1回・理解醸成へ国際組織が発信、持続可能な酪農目指す」

2022-05-10

2000年に国連ミレニアム・サミットで合意された開発途上国の支援をテーマとする「ミレニアム開発目標(MDGs)」が、世界全体の目標を達成する協力システムへと発展しました。そして社会面、経済面、環境面での持続可能性が人類社会の課題であることが認知され、2015年の国連サミットで国際社会が進むべき方向を示した「持続可能な開発目標(SDGs)」が、「誰一人取り残さない」という理念のもと採択されました。SDGsは17の目標を掲げ、それらをより具体的にしたものとして169のターゲット(達成目標)と232の指標が設定されています。


この流れの中で、各国では、持続可能性に関する対話の気運が政府、産業、企業・団体、地域社会および一般市民のあらゆるレベルで高まりました。酪農乳業界においても社会的・文化的な役割や、栄養面および経済的な貢献に加えて、他の農産物と比べると生産段階での温室効果ガス排出量が大きいといわれる畜産物の環境面の負荷について、国内の地域社会や消費者、さらには乳製品の輸出相手国にも情報を提供し、理解を醸成してゆくことが世界共通の課題解決に向けた取り組みとなってきました。


海外での酪農乳業のSDGsの取り組みの特徴の一つとして、経済的、社会的な面に加え、食料安全保障や栄養供給および健康的な食事を構成する面からも、酪農乳業がSDGsに貢献していることを示す情報がさまざまな国際組織から発信されていることがあります。わが国の酪農乳業にも、国内の実情に合わせてSDGsの達成に貢献していくことが求められるため、海外での事例は参考になると考えられます。そこでこの連載の第1回目では、国際組織による持続可能性の取り組みと情報発信についてご紹介します。


世界の酪農乳業の共通課題の解決を目指して活動する国際酪農連盟(IDF)は、16年に国連食糧農業機関(FAO)と共同で「デーリーロッテルダム宣言」に署名し、「世界の酪農乳業は持続可能な開発に重要な貢献をしている」ことを宣言しました。宣言書では、「持続可能性の成果に関して測定して報告する」ことを公約しています。また、IDFは18年に報告書「酪農乳業の持続可能性見通し」を出版しました。それ以降、最新号を毎年出版し、各国または国際組織で実施中の持続可能性の取り組みをSDGsと関連付けて情報発信しています。


酪農乳業の国際的な民間団体であるグローバル・デーリー・プラットフォーム(GDP)はFAOなどと共同で、貧困削減、気候変動対策、飢餓撲滅などへの酪農乳業の貢献をテーマとした報告書を継続的に出版し、普及活動を行っています。


一方、昨年9月には30年までのSDGs達成を目指して食料システムの持続性の確保を世界的な共通の課題として議論し、今後のあるべき姿を示すために国連食料システムサミットが開催されました。このサミットでは、①質(栄養)・量(供給)両面にわたる食料安全保障、②食料消費の持続可能性、③環境に調和した農林水産業の推進、④農山漁村地域の収入確保、⑤食料システムの強靱化――の5つのテーマ(アクション・トラック)が設定されました。サミット開催前には、アクション・トラックの活動の一環として、ゲームチェンジング・ソリューション(状況を変える解決策)に関する公開アンケート調査が実施されました。


また、各国では食料に関わる幅広い関係者の対話が行われるとともに、さまざまな組織から食料システムサミットを支持するコミットメントが公表されました。IDFはGDPと連携して、国連食料システムサミットのゲームチェンジング・ソリューションとして「学校給食プログラム」「デーリー・サステナビリティ・フレームワーク(DSF)」「酪農乳業ネットゼロへの道筋」「アフリカに栄養を与える酪農」「たんぱく質の特質」の5つを提出しました。このうち、DSFは酪農乳業の持続性を測定・報告する国際組織であり、11の評価項目を設定して活動しています。また、「酪農乳業ネットゼロへの道筋」は、世界の酪農乳業界による温室効果ガス対策の取り組みです。


食料システムサミットでは、わが国から農林水産省の「みどりの食料システム戦略」の策定や国内関係者との対話を踏まえ、持続可能なグローバルな食料システムへの変革に向けた考えが打ち出されました。またJミルクも19年に提言した戦略ビジョンの取り組みや行動計画を、アクション・トラックにも関連付けて再整理し、コミットメントを提出しました。


次回から、各国で行われている持続可能性の取り組みや報告の事例を解説していきます。(今後、複数回掲載)

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