全酪新報/2023年2月10日号
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「Jミルク、23年度の生乳生産量1.3%減を予測」――春先の処理不可能乳懸念、4月値上げの影響も注視

2023-02-10

Jミルクが1月27日に公表した2023年度の需給見通しによると、全国の生乳生産量は今年度比1.3%減の747万㌧と予測。生乳需給が緩和している現状を受け、関係者が一体で消費拡大の取り組みや生産抑制対策を講じている一方、牛乳消費の低迷や脱脂粉乳在庫のさらなる積み増し等が見込まれる。さらに4月1日以降の乳製品向け乳価値上げによる消費への影響、今年度末や5月の大型連休には処理不可能乳発生が懸念されるなど課題は多い。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は2月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「対策なければ脱粉在庫は10万㌧超」――需給ギャップ解消急務

2023-02-10

Jミルクの内橋政敏専務は2023年度も脱粉ベースで生乳換算40万㌧を超える需給ギャップが見込まれると指摘した。「来年度も在庫対策を継続しなければ脱粉在庫は10万㌧を大きく超える水準となる」として、需給ギャップの解消に向けた取り組みや在庫削減対策の継続の重要性を訴えた。1月27日の記者会見の中で述べた。


Jミルクによると、23年度の脱粉生産量15万9700㌧に対し、推定出回り量は12万3100㌧の見通しで、その結果、23年度末の脱粉在庫見込みは、12万㌧(18.7%増)。今年度の在庫削減対策(23年度分8千㌧)を考慮しても11万2千㌧と高水準を予測する。


内橋専務は「来年度も脱粉に関して40万㌧の需給ギャップが見込まれる。業界を挙げた在庫対策の継続に向け、基金を造成し、取り組みを続けていかなければならない。ギャップ解消や在庫低減へ国の支援も活用しながら、需要開発を図り、需給改善に努めていく必要がある」と述べた。

「昨夏から続くヌレ子急落、経営に打撃」――1月20日時点でも2万円台まで低下、早急な対策求める声

2023-02-10

昨夏から続く乳雄初生牛(ヌレ子)相場の急落が酪農経営に大きな影響を及ぼしている。2016年から、相場は10万円前後の高水準で推移していたが、昨夏より大口需要者の民事再生手続きの開始や飼料高騰に伴う素牛導入の抑制を背景にヌレ子の需給が緩和し、相場が急落。今年1月20日時点で2万円台まで低下している(図)。現在の飼料高騰や生乳需給緩和に加え、ヌレ子も急落している現状から、生産現場からは早急かつ効果的な支援を求める声も上がっている。


乳用種のヌレ子相場に関しては、長らく1頭当たり2~6万円の範囲を推移していたが、15年以降酪農現場で性判別精液が普及し、ヌレ子の頭数自体が減少。ヌレ子の需給が引き締まったことで、相場は徐々に上昇し、16~21年までかなりの高水準が続き、全国平均で10万円台後半の月も見られた。


しかし昨年8月、①大口需要者の民事再生手続きによる需給緩和②飼料高騰により、育成農家や育成・肥育の一貫経営が積極的な素牛導入を控えていること――を背景にヌレ子相場は急落。以後低水準で推移している。


他方、F1(交雑初生牛)の相場に関しても、乳用種と同様に昨夏より大幅に下落。30万円を超える月もあったが、1月20日時点で7万8千円台まで低下している。


本紙など専門紙との懇談の中で情勢について説明した農水省食肉鶏卵課の中村主貴素畜価格流通班長は今後のヌレ子の動向に関して「導入意欲が戻れば価格が上向くことも予想されるが、飼料価格の高止まりやコスト高騰分を枝肉価格へ転嫁できなければ導入意欲が戻ることは考えにくい」と説明。大口需要者の事業展開の動向も注視が必要と語った。


一方で現在、北海道を中心に生乳生産抑制に取り組まれていることも踏まえ、「F1や和牛ETの方が副産物収入の増加に期待でき、今後そうした動きへシフトする可能性が高い。その結果、ヌレ子の頭数は減少し、需給が引き締まり、価格が上向くことも想定される」との見方を示した。


その上で農水省として引き続き各種補給金等の適切な運用を図り、ヌレ子相場が経営に影響を及ぼさないよう、間接的に支援していく姿勢を示した。


2月10日号記事3-図

「農林水産物等22年輸出実績、10年連続で過去最高額更新」――牛乳・乳製品の輸出3割増、粉ミルク、アイスなど好調

2023-02-10

農水省は2月3日、2022年の農林水産物・食品の輸出実績を公表。1~12月累計での輸出額は前年比1766億円、14.3%増の1兆4148億円、多くの国や地域で外食向けがコロナ禍による落ち込みからの回復等により、10年連続で過去最高額を更新した。牛乳・乳製品も3割増で、アジア地域を中心とした粉ミルクとアイスクリームなど氷菓の好調により大幅に伸長した。


牛乳・乳製品の輸出額は319億2600万円で対前年比30.9%増。品目別でみると、LL牛乳は香港を中心に20億円(12.3%増)、育児用粉乳はベトナムを中心に拡大して145億円(9.1%増)、アイスクリーム等の氷菓は香港や中国、台湾での伸長により65億円(15.3%増)で、いずれもコロナ禍からの回復に伴い好調に推移した。一方、チーズは好調だった昨年の反動を受け、19億円(7.8%減)となった。


22年の畜産品(個体や皮等を含む)全体の輸出額は、1268億2700万円で11.3%増、このうち畜産物は968億2千万円で8.6%増。品目別でみると、牛肉は520億1900万円(前年比4.0%減)、鶏卵は85億4600万円(42.4%増)、豚肉23億2600万円(10.6%減)、鶏肉20億300万円(0.6%増)。品目ごとに差が見られるなか、牛肉はカンボジア輸出の減少や米国の物価高等による消費減退が影響して不調だった。

「飼料の保管庫等、畜舎特例法の対象に」――施行規則改正し4月1日より施行

2023-02-10

4月1日より、飼料等を置く保管庫等を「畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律」(以下特例法)の対象に追加する。保管庫等の整備にあたり特例法を活用することで、建築コスト削減や行政手続きの負担軽減を図る。このほど関係の施行規則を改正した。


特例法への畜舎等における保管庫等の対象追加に関しては、昨年6月に閣議決定した規制改革実施計画やそれを踏まえた議論を経て、「畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律施行規則」「農林水産省関係畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律施行規則」を改正。


4月1日より▽畜舎又は堆肥舎に付随する保管庫(倉庫又は車庫)▽畜産経営に必要な貯水施設等▽高さ8㍍を超える発酵槽等――を特例法の対象に加える。

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