全酪新報/2023年4月10日号
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「Jミルク脱粉在庫対策、需給改善へ再び基金造成」――計80億円規模で対策実施

2023-04-10

脱脂粉乳の過剰在庫削減に向け、生産者と乳業者の拠出で今年度も引き続き講じるJミルクの特別対策事業では2023年度基金として生産者に1㌔当たり40銭、乳業者に同10~40銭の協力を求めている。新たに拠出する分の対象数量は脱粉2万2千㌧。生産者と乳業者が27億8千万円ずつ負担して基金を造成し、国の支援も合わせ約80億円規模の対策を実施して緩和する需給の改善を図る。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

4月10日号記事1-図

お断り=本記事は4月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「哺育育成への転換等支援」3月決定の畜産・酪農緊急対策――営農継続へクラスターに新枠

2023-04-10

3月28日に閣議決定した畜産・酪農経営を緊急的に支援する対策(一部既報)では、2022年度補正予算の畜産クラスター事業に「経営転換推進枠」を新設(550億円の内数)した。離農を検討している酪農家が子牛の哺育育成や肉用牛繁殖、コントラクター等に経営転換し、営農を継続する場合に必要な施設整備や機械導入等を支援する。


経営転換枠の設置は今回の対策として措置された「酪農経営再建緊急対策」の1メニュー。畜産クラスター協議会に参画する酪農家が対象で、搾乳ユニットの撤去や育成牛舎への改修等を支援。補助率は2分の1以内。地域における酪農家の離農を抑制する取り組みを推進する。


緊急対策ではこのほか、畜産クラスター事業の実証支援事業を活用し、経営コンサルタント等の経営分析を受ける費用を支援(定額)。


また、乳用牛の繁殖等効率化の推進に向け、性選別精液及び調整交配用精液の利用により2023年度中に乳用牛の雄子牛が生産された場合に、1頭あたり6千円を交付するメニューも措置する(ALIC事業:65億円の内数)。牛群検定に加入している酪農家が対象。これらの支援を通じて経営体質の強化を図る。


このほか緊急支援対策では、配合等への支援に加え、22年度に単味等トウモロコシ(丸粒、トウモロコシを概ね95%以上含む2種混合飼料も対象)を用いて自家配合飼料を製造し、利用・販売した畜産農家を支援する事業を措置。23年度も自家配合飼料を製造することを条件に「1㌧当たり1200円」を交付する。交付数量は22年度の単味等トウモロコシの調達数量で、①自家配合飼料用のトウモロコシ購入②飼料製造設備の固定資産登録――などが要件。トウモロコシ国内調達経費の増加相当分の一部を支援する。

「加工原料乳の交付対象数量、64事業者に330万㌧配布」――第1号事業者変更なし

2023-04-10

農水省は4月3日、畜産経営の安定に関する法律(畜安法)に基づき、2023年度の加工原料乳交付対象数量330万㌧を64事業者に配分した。加工向けは全体として年々減少傾向で推移している。一方、対象事業者数をみると22年度比で1事業者増加した。第2~3号対象事業者は、それぞれ増減はあったものの、指定団体等を含む第1号対象事業者に変更はない。23年度の申請は対象数量の330万㌧より17万㌧多い347万㌧のため、今後は精査の上で一律で減らし配分する。


指定団体など生乳を集めて乳業に販売する第1号対象事業者は、14事業者で329万5313㌧(㌧以下は四捨五入、以下同)、第2号対象事業者(乳業に直接生乳を販売する酪農家)は、22事業者で3056㌧、第3号対象事業者(乳製品を加工販売する酪農家)は31業者で1631㌧をそれぞれ配分した。


事業者数をみると、第1号対象事業者に変更はなかったものの、第2号対象事業者は1事業者増、第3号対象事業者は1事業者増。重複を含めると述べ67事業者で、実数は64事業者となっている。


配分数量の大部分を占める第1号対象事業者をみると、ホクレンは前年度より13万7633㌧減の297万4541㌧と大きく下回った。そのほか指定団体においても、九州が1万5065㌧減の8万393㌧、北陸が1444㌧減の2056㌧と、一部地域においては減少幅の大きさが目立った。


また、第1号対象事業者のうち指定団体を除いた4事業者は、サツラク農協4648㌧(前年度比1148㌧減)、カネカ食品㈱798㌧(180㌧減)、富士乳業㈱8676㌧(2649㌧増)、㈱MMJ1520㌧(24㌧減)を配分する。

「農水省・畜産局、乳製品調整官に中坪氏(牛乳乳製品課生乳班長)」

2023-04-10

農水省は4月1日付で、中坪康史畜産局牛乳乳製品課長補佐(生乳班)を乳製品調整官とする人事を発表した。乳製品調整官の松本憲彦氏は近畿農政局地方参事官(大阪府担当)に就任する。松本氏は2020年の4月1日より3年間、コロナ禍で激変する需給環境の中で乳製品調整官を務めた。


牛乳乳製品課の人事ではこのほか、4班の課長補佐が異動。生乳班に平田裕祐氏(食肉鶏卵課課長補佐・食肉需給班)、貿易班に川島有子氏(畜産振興課課長補佐・環境計画班)、補給金企画班に伊藤寿氏(九州農政局生産部畜産課長)、乳製品輸出企画班に前田顕司氏(同課付)が、それぞれ課長補佐として就任した。


飼料課長に廣岡氏


同日付の人事では、畜産局飼料課長に廣岡亮介氏(畜産局企画課畜産経営安定対策室長)が就任した。冨澤宗高元飼料課長は退職し、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構本部事業開発部ビジネスコーディネーターへ就任する。

「全酪アカデミーに3名が新たに入職」――新規就農へ一歩踏み出す

2023-04-10

酪農への新規就農を志す担い手の確保・育成を支援する(一社)全酪アカデミー(理事長=北池隆全酪連専務)は4月3日、東京・代々木の酪農会館で23年度入職式を開催した。髙橋帆乃佳さん、前田達弥さん・ヴィオリスカさん夫妻の3名が夢に向かって一歩を踏み出した。入職式にあたり北池理事長は「焦ることなく『酪農家になる』という夢に向かって一歩一歩着実に研修を進めてほしい。我々としても研修生の就農後も含め、しっかりサポートしていく」とエールを贈った。


髙橋帆乃佳さんは埼玉県出身で3月まで全酪連・東京支所の購買推進担当として勤務。2月に昨年アカデミーに入職していた髙橋(旧姓:竹田)純真さんと結婚した。学生時代から憧れていた酪農への思いが止められなかったという帆乃佳さんは「全酪連で得たつながりも頼りながら、末永くできる酪農を目指して、次世代が引き継げるような『誰でもできる牧場』へ頑張っていきたい」と抱負を語った。


なお、帆乃佳さんは福島県の酪農技術研究所での研修の後、夫婦での就農をもってアカデミーを卒業する予定。


一方、静岡県出身の前田達弥さん・ヴィオリスカさん夫妻は牛とともに家族で働く酪農家の姿に憧れ、酪農家を志した。前職が保育士のヴィオリスカさんは「酪農の知識・技術はゼロで知らない世界だが、アカデミーで学べるというので応募した。就農後は夫のサポートをしつつ、牛も人も笑顔にできる牧場にしたい」、印刷会社に勤めていた達弥さんは「牛を第一とした長命連産な牧場を目指す。私たちのような未経験者が憧れる一人前の酪農家になりたい」とそれぞれ意気込みを語った。初年度は全酪連関連牧場等で座学や実地研修を受講する。


入職式には帆乃佳さんの夫の純真さんも研修生の先輩として出席。「アカデミーは個人では難しい酪農への就農を様々な面でサポートしてくれる。夢の実現に向け、お互い頑張りましょう」と激励した。


秋に2組が就農予定 就農後もサポート


全酪アカデミー1期生、2期生の状況について北池隆理事長は「1期生の小久保海さんが9月に熊本県で、2期生の髙橋純真さん夫妻が11月に福島県で就農予定。設立当初、研修カリキュラム等手探りで進めてきたが、ようやく形となってきた」と説明した。入職式後、本紙を含む酪農専門紙の取材に応じた。


全酪アカデミーの研修期間は基本的に3年間で、期間中はアカデミーの従業員として雇用。全酪連関連牧場や契約農場等の協力による実習など実践研修を行う。一方で、賛助会員等と連携し就農地の確保を行うとともに、事業計画策定や資産譲渡に至るまでのサポートを行う。さらに、研修生の就農後についても、全酪連及び同会の会員と連携し、営農サポートを行う。


北池理事長は「研修生の要望に応えられるよう、一層の研修内容の充実と契約農場の確保に取り組みたい」と話した。

連絡先・MAP

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所在地 〒151-0053
東京都渋谷区代々木1-37-2
酪農会館5階
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(業務部・共済制度)
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(指導部・全酪新報編集部)
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FAX番号 03-3370-3892
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