全酪新報/2023年5月10日号
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「3月時点、全国の酪農家7%減少」中酪調査・指定団体別出荷戸数――例年以上に離農進行

2023-05-10

中央酪農会議が4月28日に公表した22年度指定団体別出荷農家戸数調査によると、23年3月時点で指定団体を通じて出荷している全国の酪農家戸数(沖縄県酪農農協含む)は、前年同月比829戸、7%減の1万1011戸。近年出荷戸数の減少率は3~4%台で推移していた一方、22年度は減少幅が拡大。特に都府県は8.7%減と特に深刻になっている。依然飼料等生産コストの高騰など厳しい情勢が続き、今後の動向次第では23年度も例年以上の離農が懸念される。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

5月10日号記事1-図

お断り=本記事は5月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「酪農乳業の持続性確保が課題」牛乳乳製品課・中坪乳製品調整官

2023-05-10

課題解決へ価格転嫁等を後押し


農水省の4月1日付人事で就任した畜産局牛乳製品課の中坪康史乳製品調整官は、『持続性の確保』が今後の酪農乳業の課題だと強調した。消費拡大や生産コストを適正に価格へ反映できる環境整備等が課題解決に重要であり、農水省として支援する姿勢を示した。また脱脂粉乳・バターの跛行性の解消に向け、脱粉を活用した製品の需要拡大にも取り組んでいく必要があると指摘した。本紙含む酪農専門紙との懇談の中で答えた。


――初めに、就任に当たっての抱負を。


今後の我が国の酪農乳業双方の発展には北海道、都府県それぞれが地域の生産条件・特性を踏まえつつ、需給変動に対応しバランスを取っていくことが重要。持続的な発展に向け、現在講じている施策の効果をよく見極め必要な対策を検討していく。


――現在の酪農乳業をめぐる情勢をどのようにとらえているか。


酪農乳業ともに難しい局面にある。酪農に関しては再生産確保に向け、コストの急上昇分を販売価格へ反映できる環境整備が不可欠だ。一方、乳業が原料等のコスト上昇分を製品価格へ反映するためにも消費マインドの変化を見極める必要があり、戦略的な判断が難しい環境にある。


とは言え、実需者・消費者に理解醸成を図りつつ、牛乳・乳製品の継続的な購入につながるようにしなければ持続的な発展には至らない。乳業のみならず、生産者もコスト上昇を価格転嫁のみに求めず、コスト削減など経営努力を一層図っていくことが必要だ。


いずれにせよ、いま重要なことは関係制度も含め、持続性の確保だと考えている。生産者による需給改善や需要拡大に向けた取り組みを支援し、適切な乳価の実現を後押ししていくのが農水省の考えだ。


――具体的にはどのような取り組みや対策が必要になるのか。


現在、緊急的に入口・出口対策を講じているが、この先の需給をめぐり、抑制的な生乳生産を上向かせていくためには、脱脂粉乳とバターの跛行性を何とかしなければならない。しかし現状、加工原料乳生産者補給金を交付しつつ、脱粉在庫の低減対策を講じることは国費の二重投入となり、持続的ではない。


乳業には脱粉・バターの跛行性が縮小するよう、脱粉を活用した需要拡大に一層取り組んでもらいたい。農水省としてもスマイルプロジェクトなどを通じ消費拡大を後押しする。


――全国的に生産抑制が進められている一方、生産者の会合では「系統出荷・系統外出荷によって不公平感が生じている」との声が上がっているが。


生産抑制をめぐり生産者間に不公平感が生じていることや、年度単位で指定団体に出荷先を変更する事に関して、法的規制がないことから、指定団体が自ら設定した生産抑制計画の達成が困難となる、との声が上がっていることは承知している。


こうしたことを背景に、畜安法の検証や運用見直しを求める声が挙がっているものと受け止めている。しかし、需給調整に対する農協組合員への強要の是非や農協利用の制限については、畜安法の改正に関係なく、独占禁止法等によりできないとされている行為であることは留意すべきだ。


私どもとしては生産抑制の取り組みに伴う不公平感が、加工原料乳生産者補給金制度とどのように関係しているのか、旧暫定措置法及び改正畜安法での対応にどのような差があるかなどについて検討していく。


中坪乳製品調整官=北海道出身。95年小樽商科大学商学部経済学科卒業。99年農水省入省。畜産局食肉鶏卵課食肉流通班長などを経て、22年4月に牛乳乳製品課生乳班長。今年4月より現職。

「石川・能登で震度6強、酪農家1戸で生乳廃棄発生」――5月5日

2023-05-10

大型連休中の5月5日午後2時42分ごろ、石川県能登地方を震源とする最大震度6強の地震が発生。北陸酪連によると地震の影響で能登町内の酪農家1戸において、7日と8日朝の搾乳分、合わせて1.5㌧の生乳廃棄が発生した。バルククーラーは地震の影響で一部破損したものの、8日夕方の搾乳から代替品のバルククーラーを使用して搾乳を再開している。酪農家や乳牛に対しての被害の発生はなく、集送乳についても影響はない。


野村大臣 早急に被害状況を把握


9日の定例会見で野村哲郎農相は能登地方の地震について「農政局からは農業用地等で被害があったと報告を受けているが、被害額など詳細含め現在調査中だ。現地と連携を密にしながら被害状況を把握し、農水省として何をやっていくべきか検討したいが、(現時点で)目立った直接的な被害は少ないとのことだった」と述べた。

「牛乳買ってください。たくさん飲んでください」――群馬のアウトドアイベントで呼びかけ

2023-05-10

「牛乳を買ってください、たくさん飲んでください!」。5月5日に群馬県前橋市の前橋総合運動公園で行われたイベントでは、酪農家らがコスト高騰の厳しい情勢や生乳需給が緩和している現状を説明。消費者へ積極的な牛乳飲用への理解・協力を呼びかけた。


イベントは前橋市まちづくり公社主催の「チェアリング in MAESOU」。ポニー乗馬などアウトドア関連の催しに加え、JA群馬乳販連や群馬県牛乳普及協会等が協力し、模擬搾乳体験や手作りバター教室、チーズ販売なども行われた。また、ステージイベントには地元酪農家も登壇。FMぐんまパーソナリティの内藤聡さんを司会に、牛乳のおすすめの飲み方や美味しさ、国内酪農の重要性等を伝えた。

「全国酪農青年女性会議が絵画と写真を作品募集中」――5月26日締め切り

2023-05-10

全国酪農青年女性会議大会事務局は現在、「第49回らくのうこどもギャラリー」「第13回酪農いきいきフォトコンテスト」の作品を募集中。いずれも自作で未発表のものに限る。詳細・提出はお近くの酪青女会議事務局まで。5月26日〆切り(必着)。


こどもギャラリーは、酪農を中心としたテーマの絵を募集するもので、4歳から中学生までの子ども(酪農家の子どもも含む)を対象としている。毎回、酪農や乳牛などを題材とした、子どもらしさあふれるのびのびとした表現に満ちた絵から、繊細で奥深いタッチで描かれた図面など幅広い作品が多数寄せられる。


フォトコンテストは、酪農や牛乳に対する消費者の理解促進を目的として、乳牛のいる風景や毎日の作業風景をテーマに、酪農家が撮影した写真を募集するもの。日々、酪農家が元気に仕事に打ち込む姿や、良質な生乳生産へ懸命に取り組む様子を募集している。

連絡先・MAP

一般社団法人 全国酪農協会
所在地 〒151-0053
東京都渋谷区代々木1-37-2
酪農会館5階
電話番号 代表(総務部):03-3370-5341
(業務部・共済制度)
     :03-3370-5488
(指導部・全酪新報編集部)
     :03-3370-7213
FAX番号 03-3370-3892
アクセス JR・都営大江戸線ともに
「代々木駅」から徒歩1分
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