全酪新報/2020年2月10日号

「2020年度、脱粉輸入枠を4千㌧に大幅削減」――需要弱く、高い在庫水準

2020-02-10

農水省は1月31日、2020年度の脱脂粉乳とバターの輸入枠数量を決定した。脱粉は今年度より1万㌧減の4千㌧とした。一方、バターは2万㌧で今年度並みに設定した。Jミルクの見通しによると、2020年度の生乳生産量は約2%増の見込みで、それに伴い脱粉・バターともに生産量は約5%増加するが、脱粉は需要が弱まっており、需給は安定。在庫は高い水準で推移することから、輸入数量を大幅に減らす。一方、バター需要は堅調なことから、輸入枠数量を変更しない。なお、生乳が増産に転じるなど需給を取り巻く状況の変化を踏まえ、輸入枠数量の設定方法と必要在庫量の考え方などを変更した。

今回の輸入枠の推計方法見直しに関し、水野秀信牛乳乳製品課長は「従来の方法で検証した結果、脱粉については現実と大きく乖離した」と説明した上で「バター需給は安定している一方、脱粉需要の減速、生乳生産が回復・増加に転じたことなど、需給の状況の変化を踏まえた」と要因を説明した。


従来、脱粉の必要在庫量は一定の6万㌧、バターは各月末の必要在庫量を翌月見込消費の2.5倍に設定。しかし、脱粉は需給が比較的安定的に推移していることに加え、はっ酵乳の消費が減速していることから需要は弱く、実需者の要望を受けて必要在庫量を5万㌧に変更した。


また、脱粉・バターの輸入枠数量の設定に当たり①脱粉需要の減速②バター需給が安定③生乳が増産に転じた――など需給を取り巻く状況が変化したことを踏まえ、今までの「過去6年の最少生産量と最大消費量の組み合わせが起きたと仮定する」との考え方では、増産時や需要が落ち込んでいる時には適さないため、過去のデータを統計処理した「6年に1度の確率で起こる生産減少と消費増加が起きたと仮定する」に変更。それをもとに各月の在庫量を算出し、必要在庫量との差を計算する。


その結果、脱粉は2021年3月に必要在庫量を3600㌧下回るため、輸入枠数量を4千㌧に設定。同様にバターは21年2月に必要在庫量を2万300㌧下回るため、2万㌧とした。


なお、脱粉の入札スケジュールは隔月実施から需給状況に応じた入札に変更。水野課長は「日米貿易協定で約束した750㌧は早々に放出するが、以降は需給で判断する」としている。

お断り=本記事は2月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「脱脂粉乳、在庫積み増し高い水準に」――Jミルク見通し

2020-02-10

Jミルクの見通しによると、2020年度の脱粉生産量は13万3500㌧(4.8%増)に対し、今年度予測8%減の反動を加味すると、出回り量は5.8%増の13万3500㌧と需給は均衡。その結果、輸入売渡を含む在庫量は19年度末の7万4900㌧、6.5カ月分から20年度末には3.6%増の7万7600㌧で7.4カ月分と非常に高い水準まで積み増す。


一方、バターは需要8万1100㌧に対し、生産量は6万6600㌧(4.8%増)。結果、19年度末の在庫量は2万7200㌧、4.2カ月分から20年度末には1万4900㌧、2.2カ月分と半減する見通し。

「2020年度生乳生産、全国ベースで2年連続増産見込み」――2歳以上の雌牛頭数増加で

2020-02-10

Jミルクは1月31日、20年度の生乳と牛乳・乳製品の需給見通しを公表。2歳以上の頭数が全国的に増えていることから、全国ベースでは2年連続で増産を見込んでいる。特に、北海道は主力の2~4歳の頭数が増加するため、3.6%伸びる。一方、都府県は依然として減少が継続するが、下期から頭数が微増の見込みであるため、従来に比べ生乳生産量の減少幅は縮小する。しかし、北海道の生産量と約100万㌧の差が発生する予測で、引き続き道外移出が増加。北海道への依存度の高まりが懸念される(今年度は閏年のため、前年度比は全て閏年修正した数値を使用)。


全国の生産量は北海道の増産により、1.8%増の747万2千㌧と予測。北海道は2歳以上の頭数が1万頭ほど増加することから、423万1千㌧で3.6%増となる。


一方、都府県は0.4%減の324万1千㌧の見通し。下期から2歳以上の頭数が微増となるため、減少幅は従来に比べて縮小する。


なお、19年11月までの乳用雌牛の出生頭数は北海道・都府県ともに増加傾向にある一方、5歳以上の頭数は全国的に減少傾向で推移する。


北海道と都府県の生産量の差は拡大傾向にあり、20年度は99万㌧差の見込み。そうしたことから、北海道から移出する乳量は8.5%増の59万1千㌧と予測している。


前田浩史専務は、道外移出の増加に懸念を示し「このギャップを改善し、調和の取れた需給で運用することは重要な課題。増頭奨励金等を活用し、都府県基盤を強化してほしい」と呼びかけた。

「酪肉近構成案、家族経営の重要性明確化」――畜産クラスターの記述なしに注文

2020-02-10

農水省は1月30日、都内で食料・農業・農村政策審議会畜産部会を開き、次期酪肉近(酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針)と家畜改良増殖目標の構成案を提示。中小・家族経営が増産に取り組むための生産基盤強化が明確化されたことを評価する意見が出た一方、畜産クスター事業に関する記述がなかったため、事業継続や推進といった文言を盛り込むよう求める声が複数上がった(2面に関連記事)。


構成案を示すに当たり、農水省は畜産物の需要が堅調に推移する一方、生乳・牛肉ともに供給が需要の伸びに追いつかず、輸入が増加している状況を説明。酪農に関して、伏見啓二畜産企画課長は「特に都府県の生産基盤弱体化が進み、北海道からの生乳輸送が限界にきている。そのため、より一層の生産基盤強化が必要であり、大規模経営のみならず、中小・家族経営の基盤を充実させ、増産を図る必要がある」と述べた。


そうした状況を踏まえ、構成案は①海外市場を含めて拡大が見込まれる需要に応えるための生産基盤の強化②次世代に継承できる持続的な生産基盤の創造――の2つを大きな柱とし、「都府県酪農の生産基盤の回復」「北海道酪農の持続的成長」「災害に強い畜産経営の確立」などを記述。しかし、改正畜安法による新たな補給金制度については「適切な生乳流通体制の構築」の表現にとどまり、畜産クラスター事業については、文言が入っていないことに委員から注文が付けられた。

「ホクレン、2020年度生産者乳価を全用途据置き」――1月29日

2020-02-10

ホクレンは1月29日、20年度の用途別原料乳価格について、大手・中堅乳業15者と飲用牛乳向け、加工向けなど全用途据え置きで決着したと発表。今後は残りの124者と交渉するため、正式決定は全取引乳業者との合意後となる。

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