全酪新報/2023年5月1日号
購読お申込みはこちらから

「2022年度の生乳生産量1.5%減少、生産抑制や離農加速」――牛乳消費低迷が課題

2023-05-01

農水省が4月28日に公表した牛乳乳製品統計によると、2022年度の生乳生産量は753万2513㌧で1.5%減(速報値)となった。21年度までは3年連続増だったが、22年度は需給緩和対策として各地域で実施している生産抑制の取り組みや例年以上に離農が進行していることから減少に転じた。牛乳消費も1.5%減と低迷しており需要面の課題も大きい。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

5月1日号記事1-図

お断り=本記事は5月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「配合飼料第4四半期、1㌧当たり950円補てん」――政府が別途8500円交付

2023-05-01

全国畜産配合飼料価格安定基金など基金団体はこのほど、2022年度第4四半期(1~3月)を対象に「1㌧当たり950円」の補てん金交付を決めた。配合飼料価格の高騰が畜産経営を圧迫する一方、価格の高止まりが続くと補てん金が目減りする基金制度の特性上から、前期の交付金(同7750円)を大きく下回る結果となった。畜産農家の窮状を踏まえ、政府は同制度とは別に緊急対策として予備費を使用し同8500円の補てん金を交付する。


当期の基準輸入原料価格は5万4497円で、平均輸入原料価格は5万5478円で、飼料価格の高止まりにより価格差が小さい。補てん金の内訳は通常補てん分623円、異常補てん分327円となる。


補てんの発動は9期連続。異常補てん金の財源は国の予算により積み増しされている一方、度重なる発動で通常補てんの財源は非常に厳しく、生産者の負担も増している状況。補てん金は各基金団体を通じ5月以降に生産者へ交付する。

「農水省、適正な価格形成へ議論を開始」――生産コスト適切に取引価格に反映を

2023-05-01

農水省は4月28日、「畜産・酪農の適正な価格形成に向けた環境整備推進会議」の初会合をオンライン併用で開催した。飼料コスト高騰等で困窮する生産現場を踏まえ、生産コストを適切に取引価格へ反映できる環境整備を図ることが目的。計3回程度会合を開き、6月中旬を目途に中間とりまとめを行う。


会合の冒頭、渡邉洋一畜産局長は「飼料高騰に対しては配合飼料価格安定制度など繰り返し財政支援を講じてきたが、当該制度は激変緩和対策であり、対応には限界がある。食品価格も上昇し農家もコスト削減に努力している一方、飼料等生産コストの高騰が十分に価格に反映されておらず、厳しい経営状況が続いている。将来的な安定供給の観点からも小売・流通業や消費者に負担いただくことになるが、飼料高騰の影響などを適切に取引価格に反映する必要がある」と強調した。


同会議の委員は、生産者団体やバリューチェーンに関わる生産、加工、流通、消費等に係る21名の有識者で構成。酪農関連では、中央酪農会議の菊池淳志専務や日本乳業協会の沼田一政専務らが委員を務める。


事務局を担当する畜産局総務課畜産総合推進室は「生産コストの適正な価格への反映に向け、効果的な情報発信方法の検討など消費者の理解醸成や仕組みづくりについて委員の皆様に議論を重ねていただきたい」としている。

「北海道の生産者乳価、8月から飲用等3用途で10円値上げ」――乳製品向け乳価交渉は継続

2023-05-01

ホクレンは4月20日、2023年度期中での乳価交渉の結果、飲用等向け、発酵乳等向け、その他向け(乳製品用途以外)の3用途において、8月1日取引分より「1㌔当たり10円値上げ」で大手・中堅乳業者15社と合意したと発表した。同日の生乳受託販売委員会で協議した結果、都府県の乳価交渉における妥結水準を踏まえて決めた。その他乳業者とも合意に向けて交渉を進める。


引き上げ率はそれぞれ飲用等向けが7.6%、発酵乳向け9.8%、その他向け9.1%、現行価格比で10円値上げする。北海道の飲用等向け比率は約2割のため、プール乳価は2円程度の上昇に留まる。


23年度の乳製品向け乳価交渉をめぐっては、ホクレンと大手乳業者等との間で、昨年12月22日に乳製品向け全用途1㌔当たり一律10円値上げすることで決着した。今年4月より適用しているが、依然として厳しい経営環境が続く酪農の現状を受け、出来る限り早期の合意を目指して乳製品向けの期中値上げへ交渉を続けていく方針。

「牧場で輝く家畜の命」連載㉔瀧見明花里さんの写真エッセイ

2023-05-01
牧場で輝く家畜の命㉔ A

村上牧場レプレラ(北海道せたな町)のブラウンスイス。
名前は「クララ」

牧場で輝く家畜の命㉔ B

おでこの白い斑紋がチャームポイント

「クララが出産間近だから、何かあったら教えて欲しい」と任務を課され、牧場の子供たちと見守りながら過ごす1日。撮影をしつつ様子を伺っていると、時折り群れから離れて静かに過ごす姿が伺えましたが、結局この日は何も起こりませんでした。


私が帰宅して数日後、クララはようやく出産を乗り越えましたが、残念ながら難産となり、子牛は助かりませんでした。その後、クララ自身も出荷となり、次に私が再会したのはお肉になったクララでした。私はいただいたお肉でハンバーグを作り、「ありがとう」の気持ちを込めて美味しく頂きました。


白い斑紋があって、群の中でも一際目立っていたクララ。いつも落ち着いていて、優しい目が私を安心させてくれました。これが私が撮影した最期の写真となりました。クララのチャームポイントである、おでこの白い斑紋を受け継いだ孫のラッコちゃんも牧場にいるので、成長を楽しみに見守りたいと思います。(全酪新報では毎月1日号に掲載しています)


プロフィール


瀧見明花里(AKAPPLE)


農業に触れるためニュージーランドへ1年3ヶ月渡航。2017年より独立。『「いただきます」を世界共通語へ』をコンセプトに、牛、豚、鶏をはじめとする家畜動物を撮影、発表。家畜の命について考えるきっかけを届けている。


※写真の無断使用はご遠慮下さい

https://photographer-akapple29.com/

連絡先・MAP

一般社団法人 全国酪農協会
所在地 〒151-0053
東京都渋谷区代々木1-37-2
酪農会館5階
電話番号 代表(総務部):03-3370-5341
(業務部・共済制度)
     :03-3370-5488
(指導部・全酪新報編集部)
     :03-3370-7213
FAX番号 03-3370-3892
アクセス JR・都営大江戸線ともに
「代々木駅」から徒歩1分
全酪アカデミー 酪農ヘルパー全国協会 日本ホルスタイン登録協会 GEAオリオンファームテクノロジーズ株式会社 株式会社ピュアライン 株式会社セイワ あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 東京海上日動火災保険株式会社 海外農業研修生募集 相互印刷株式会社 西桜印刷株式会社 警察庁防犯教室

購読お申込み


このサイトに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。
Copyright © The Dairy Farmers Association Of Japan. All right reserved.