全酪新報/2023年12月20日号
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「2024年度畜産物価格、加工原料乳補給金23銭上げ」――集送乳調整金対策含め10銭上げ、交付対象数量5万㌧減

2023-12-20

自民党は12月12日、2024年度の畜産物価格及び関連対策について加工原料乳生産者補給金単価を今年度より23銭引き上げの1㌔当たり8円92銭、集送乳調整金単価を同3銭引き上げの2円68銭に決定した。調整金は集送乳経費の上昇を抑えるための関連対策(ALIC事業)の支援分も含めると10銭引き上げとなる。また、総交付対象数量は330万㌧から325万㌧に減らすが、別途、脱脂粉乳・バターの需給不均衡改善に向けた取り組みに対し18万㌧分の関連対策(図)を実施する-詳細は全酪新報にてご覧ください-


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12月10日号記事1_図

お断り=本記事は12月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「新農水大臣に坂本哲志氏が就任」――12月14日、内閣改造

2023-12-20

政府が12月14日に行った内閣改造で、新農相に坂本哲志氏(衆議・熊本3区、73歳)が就任した。同日夜、農水省内で就任会見に臨んだ坂本農相は「都市近郊や中山間地、酪農地帯などそれぞれの地域の特色、地域性を活かした農業が行われ、それがそのまま農村作りや地域活性化に結び付いている。地域に最も適合した農林水産業をどう構築していくかということを常に考えながら、政策を作り、実践していきたい」と抱負を語った。


また、坂本農相は生産資材の高騰や気候変動など、日本の食をめぐる情勢が大きく変化している現状を指摘。「いつでも安価に食料を輸入できる状況ではなくなっている。一方、国内の人口減少、高齢化も進んでいることから、将来にわたり持続可能で強固な食料供給基盤を構築することが急務だ」と強調した。


このほか、坂本農相は「なかなか価格転嫁が難しく、再生産が図られずに後継者が減少している。これをどのように立て直すかが最大の課題。新たな担い手を確保して農地をしっかり活用できる状態にして、生産から消費に至る過程で農家の所得向上が図られるよう努めていく」と語った。


坂本哲志氏=一億総活躍担当相、まち・ひと・しごと創生担当相、内閣府特命担当相(少子化対策・地方創生)等を歴任。自民党では農林部会長代理や畜産・酪農対策小委員長、農林・食料戦略調査会副会長などを務めた。


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就任会見に臨む坂本農相

「2023年の酪農業界を振り返る㊦(7月~12月)」

2023-12-20

2023年下期は適正な価格形成の実現を目指す飲用牛乳WGをはじめ、食料安全保障・安定供給をめぐり活発な議論が行われたほか、持続可能な農畜産業の発展に向けて新規就農支援や消費拡大・理解醸成活動等の取り組みも引き続き行われた。12月現在、新型コロナ禍を背景とする業務用需要等への影響は回復の方向へ進む一方、牛乳の値上げに伴う消費への影響や依然続く各種コストの高騰、例年同様懸念される年末年始や冬休み期間の需要減退、緩和傾向で推移している近年の生乳需給において浮き彫りとなってきた需給ギャップの問題など、様々な課題が横たわる。


牛乳の適正な価格形成へ、食料安全保障確立へ議論、離農は昨年の約1.5倍に、全酪アカデミーで新規就農者誕生


7月


4日 農水省の人事異動で、畜産局牛乳乳製品課長に須永新平氏(大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課長)が就任した。


7日 畜産統計によると、2月1日現在の全国の酪農家戸数は1万2600戸で、前年より700戸、5.3%減。昨年の約1.5倍もの離農に加え、飼養頭数も1万5千頭減となるなど生産基盤の弱体化が危惧される事態に。


13日 全国酪農青年女性会議と全酪連が札幌で酪友フォーラムを開催。発表大会が昨年50回目の節目を迎えたこと等から今回はフォーラムの形で酪友同士の絆を深めた。


31日 中酪が酪農に対する実態認知調査を行った結果を公表。牛乳の値上げは約4割が認知している一方、うち7割が酪農の窮状を理解した上で値上げを受け入れていることが分かった。


8月


3日 自民党が農林部会等の合同会議を開き、24年度の農林水産関係予算概算要求に向けた議論を開始。生産基盤強化や国産飼料の生産拡大等を方針に盛り込んだ。


8日 不測時における食料安全保障の確立に向け、農水省が検討会の初会合を開いた。関係省庁の役割等について議論し、年内の取りまとめを目指す。


29日 農水省の「適正な価格形成に関する協議会」が初会合を開催。食料システム全体で適正取引が推進される仕組み作りへ検討を進めた。


31日 農水省が総額2兆7209億円(対前年度比20.0%増)とする24年度概算要求をとりまとめた。チーズ生産拡大や国産飼料の利用拡大等を支援する。


同 ホクレンと乳業各社との期中値上げ交渉が、バター向けと生クリーム等向け乳価をともに㌔6円値上げで決着。


9月


1日 全酪アカデミーから、第1号となる修了生・新規就農者が誕生。小久保海さん(熊本県阿蘇市)が経営移譲で酪農家になる夢を実現した。


11日 食料・農業・農村政策審議会と同審議会基本法検証部会が合同会議を開き、「食料・農業・農村基本法の最終とりまとめ」について了承。野村哲郎農相(当時)に答申書を手渡した。


13日 第2次岸田再改造内閣が発足し、新農相に宮下一郎氏(衆議・長野5区)が就任。


29日 乳製品の国家貿易による輸入枠数量を検証。カレントアクセスの枠内に留めた上で、需要増を背景にホエイ等の枠数量をバターへ振り替え、バターの枠数量を8千㌧から1万320㌧へと拡大した。


飲用牛乳WGが初会合、補正予算で長命連産支援


10月


11日 適正な価格形成に関する協議会の第2回会合が開かれ、飲用牛乳を対象としたワーキンググループの設置を決定。


18日 食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会は牛海綿状脳症(BSE)に関する特定家畜伝染病防疫指針の一部を改正する案を答申。特定症状を示す牛は現行通りとしつつ、96カ月齢以上は検査対象から除外する。


20日 飲用牛乳WGが初会合を開催。実現可能な合意点に向け、酪農乳業間の乳価交渉、卸売り・小売における価格設定等を論点としてコスト構造の把握へ議論した。


11月


1日 全酪アカデミーから第2号となる修了生・新規就農者が誕生。髙橋帆乃佳さん・純真さん夫妻(福島県塙町)が第三者継承を経て経営を開始した。


3日 Jミルクが豊洲公園等で土日ミルクフェスを開き、多くの酪農家や関係団体が参加・協力。休日も含めた牛乳消費促進に向けてイベントを盛り上げた。


10日 政府が23年度補正予算を閣議決定。酪農関係では、脱脂粉乳在庫の低減等への支援をはじめ、長命連産性の高い牛群構成への転換や飼料自給率の向上を後押しする施策を措置する方針。


12月


1日 24年度の畜産物価格及び関連対策の決定に向けて自民党が議論を開始。その後6日に自由討議を行い、7日に農林幹部へ一任。


12日 自民党は畜産酪農対策委員会を開き、24年度の加工原料乳補給金を23銭上げの8円92銭、集送乳調整金を3銭上げの2円68銭とする案を了承・決定した。


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多くの酪農家も参加した土日ミルクフェス

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