全酪新報/2023年12月1日号
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「自民党酪政会、畜酪に向け必要な支援確保へ意見交換」――需給調整上の不公平感めぐり意見相次ぐ

2023-12-01

自民党酪政会(森英介会長)は11月29日、永田町の自民党本部で総会を開き、飼料高騰など依然厳しい状況が続く酪農現場の窮状を受け、課題や必要な支援・対策について意見交換した。需給調整上の不公平感をめぐり自主流通側も含めた全生産者で対応すべきといった声が相次いだほか、脱脂粉乳在庫対策の恒久化や下げ止まりしている子牛価格への対策を求める意見等が上がった。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は12月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「需給調整めぐる不公平感を是正検討」――須永新平牛乳乳製品課長、公取含め対応を検討中

2023-12-01

農水省牛乳乳製品課の須永新平課長は、生乳需給調整のあり方をめぐり、共販の生産者から自主流通との不平等・不公平感の是正を求める声が多く上がっている状況について「改正畜安法の中で一定程度対応ができないか、現在公正取引委員会も含め検討を行っている」と話した。11月22日に行われた第1回畜産部会の中で述べたもの。


この問題に関して、須永課長は「需給調整は生乳に関わる全員が需要に応じた生産に取り組んでいくという考え方のもとで進めていくことが大切であり、それぞれの取り組みをまずは支えていきたい」と説明した。


その上で「系統内外関係なく、こうした需給調整自体の重要性をよく理解し、各々の取り組みをしっかりと深化させていくことが大切。我々としては、系統内外の方々と意見交換を積み重ね、さらには畜安法の中で一定程度対応ができないか、いま公正取引委員会も含め、政府の中でも検討している。生産者の声をしっかりとうかがいながら、できるだけ皆様の考え方を踏まえた対応ができるよう進めていきたい」との考え方を示した。

「2024年度酪農政策・価格決定等に向け協議」――酪政連中央委員会、適切な単価設定など7項目要請

2023-12-01

酪政連は11月29日、自民党本部で中央委員会を開き、畜産物価格・関連対策の決定に向け2024年度酪農政策・予算確保に関して協議した。加工原料乳生産者補給金単価の適切な設定など、7項目の要請内容を了承した。


会合では同日に開かれた酪政会総会で示した2024年度酪農政策・予算確保の要請内容を確認。このうち、加工原料乳補給金や集送乳調整金単価については今般の飼料等コスト高騰を踏まえ、酪農家が経営意欲を維持できる適切な算定を要望した。また、総交付対象数量についても適切な設定を求めた。このほか、生産コストの変動に対応した適正な価格形成制度の検討なども要請の柱として盛り込んだ。


会合終了後、本紙などの取材に応じた佐藤哲委員長は「地域によってはどうしても自給飼料より輸入飼料を利用した方がコストが低かったり、鳥獣被害に関しても求められる獣種の対策が異なる場合がある。そうした国からの全体に対する支援だけではカバーできない地域に即した課題については、各県・地域ごとに実情を伝え、要請していく必要がある」と話した。


このほか、出席した委員からは今を支えている生産者や将来の後継者が将来にわたって残っていける農業政策の在り方、国産飼料増産の重要性などが意見として上がった。


また、会合では農水省牛乳乳製品課の平田裕祐生乳班長が「乳用牛長命連産性等向上緊急支援事業」など2023年度補正予算案について紹介。生産コスト上昇と需給緩和の問題解決を軸として持続的な酪農経営を見据えた支援策を措置する方針を説明した。

「第1回畜産部会、加工原料乳補給金の算定等へ議論開始」――厳しい実態踏まえた算定を

2023-12-01

農水省は11月22日、食料・農業・農村政策審議会畜産部会の第1回会合を開き、加工原料乳生産者補給金単価など2024年度の畜産物価格をめぐる議論を開始した。出席者からは、来年度の補給金等の決定に際し、生産現場の厳しい実態を踏まえた適正な算定を求める声が多数上がった。来年度の畜産物価格の諮問を受け、今後、算定に関する審議を行った上で農相へ答申する。


意見交換で小椋茂敏臨時委員(北農中副会長)は北海道酪農の窮状に触れ「来年には物流2024年問題が控えており、委託している輸送業者から価格改定の要請が届いている。そうしたことを踏まえ、集送乳調整金の単価をしっかりと協議し、農水省としても現状を把握した上で算定に当たっていただきたい」と要望。「また、厳しい現状に沿った加工原料乳生産者補給金の単価や総交付対象数量の枠の設定もきちんと詰めてほしい」と対応を求めた。


また、石田陽一臨時委員(㈱石田牧場代表取締役)は「土地が無くてほとんど自給できない購入飼料主体の酪農家は引き続き厳しく、経営がまわらないところも増えている」と都市近郊型の酪農家等が置かれる厳しい状況を指摘。自身の牧場では乳牛頭数を減らすことで自給飼料を相対的に増やし、コスト減を図ったことを紹介した上で「雇用を抱えている牧場や大規模化を目指し投資していた牧場はそういった策をとれず、辞めたいけどやめられない状況が続いている」と危機感を訴えた。


なお、会合では小針美和委員(㈱農林中金総合研究所主任研究員)を部会長に選任。部会長代理には大山憲二臨時委員(神戸大学大学院農学研究科附属食資源教育研究センター教授)が選任された。


12月1日号記事4_画像

「牧場で輝く家畜の命」連載㉛瀧見明花里さんの写真エッセイ

2023-12-01
牧場で輝く家畜の命㉛ A

三澤牧場(北海道湧別町)のホルスタイン

牧場で輝く家畜の命㉛ B

牛舎で草を食む牛たち

朝5時、牧場に到着。この日は、ホームページ用の写真を撮影しに牧場までやってきました。牛舎内に朝陽の良い光が入ると期待していましたが、見事に空は真っ白。まだ薄暗かったので、先に搾乳や、哺乳のお仕事風景を撮影します。


少し太陽が昇ってきたところで、牛さんとスタッフさんのツーショット写真の撮影へ。牛舎で何枚か撮りましたが、外でも挑戦することになり、同じ牛さんを連れ出して来てくれました。さっきまで大人しかった牛さんは、お外に出られて興奮している様子。「ヤッホーイ!」とでも聞こえてきそうな勢いで、はしゃいでいます。


少し落ち着くのを待ってから、いざ撮影スタート。クールダウンした隙を狙って、急いでシャッターを切ります。その間、わずか1分未満!無事に撮影は終えましたが、その後も興奮は冷めやらず、まるで「もっと遊びたい!」とでも言っているかのように、牛舎へと戻る足取りは重い牛さんでした。(全酪新報では毎月1日号に掲載しています)


プロフィール


瀧見明花里(AKAPPLE)


農業に触れるためニュージーランドへ1年3ヶ月渡航。2017年より独立。『「いただきます」を世界共通語へ』をコンセプトに、牛、豚、鶏をはじめとする家畜動物を撮影、発表。家畜の命について考えるきっかけを届けている。


※写真の無断使用はご遠慮下さい

https://photographer-akapple29.com/

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東京都渋谷区代々木1-37-2
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(業務部・共済制度)
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