全酪新報/2016年9月10日号

「「飼料生産型酪農経営支援事業」を拡充、都府県を対象に乳用後継牛増頭に支援――農水省の2017年度概算要求

2016-09-10

農水省は来年度の農林水産関係予算概算要求で、自給飼料生産と環境負荷軽減に取り組む酪農家を支援する「飼料生産型酪農経営支援事業」に69億6千万円(前年度比1億6千万円増額)を要求した。畜産企画課によると、来年度より都府県酪農を対象に事業を拡充。乳用後継牛の増頭のための自給飼料生産を強力に支援する。

お断り=本記事は9月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

政府が「規制改革推進会議」を発足 ― 指定団体等の見直し、秋に結論

2016-09-10

規制改革会議が7月末で設置期限を迎えたため、政府は9月2日、後継組織として規制改革推進会議の設置を閣議決定。9月7日に施行した。今年秋までに結論を出すとした指定団体制度等の抜本的見直しをめぐり、検討作業が本格化すると見られ、予断を許さない。


同会議の設置を受けて山本有二農相は9月2日の記者会見で「生乳生産に係る関係者にとって不安のない将来像を形づくりたい。また、規制改革会議の指摘である不公平感のない、新規参入できる形を同時に取っていく必要もある。会議の詳細な報告を受けた上で検討を新たに進めたい」との考えを示した。

「バターの安定供給」に向け農水省とALICが情報を共有 ― 小売・流通関係者などと意見を交換

2016-09-10

農水省とALIC(農畜産業振興機構)は8月25日、都内で乳製品需給等情報交換会議を開き、バター需給をめぐり酪農・乳業、小売・流通関係者等と意見交換した。バター安定供給に向けて情報共有を図るのがねらい。国が9月に判断する今年度2度目の乳製品追加輸入の必要性についても広く意見を聞きとる。


同会議は当面、毎月1回開催する予定。初会合には酪農家の佐藤裕司氏(北海道、東宗谷農協組合長)のほか酪農・乳業関係団体から中央酪農会議、Jミルク、日本乳業協会が出席。小売・流通、製パン・製菓関係者、消費者団体と意見交換した。


会議は冒頭を除き非公開。開会あいさつした農水省の枝元真徹生産局長は「一昨年に様々な問題が生じたバター供給だが、昨年末は生産者・乳業メーカーの努力と追加輸入等の措置でバター不足の事態を回避できた。店頭調査でも欠品等はほとんど見られていない。今年末(の最需要期)の安定供給に向けて、夏場の生産減の可能性を考慮し、カレントアクセス輸入と追加輸入で昨年と同水準のバター1万3千㌧輸入を決定した」と近年のバター需給動向を説明。その上で「一方で『お一人様1点限り』の張り紙がある店舗も見受けられる。


先日、閣議決定された規制改革実施計画でバター流通のモニタリング等強化が決定した。円滑なバター流通がこれまで以上に求められる。適時・適量必要とする人にバターを供給するため、生産・流通・消費関係者間で情報共有し、国民にも正確な情報を提供したい。特に9月の(今年度2度目の)追加輸入の必要性についても意見交換したい。国として関係者と一体となりバター安定供給に努める」と会議のねらいを述べた。


会議では、農水省とALICが直近の生乳需給動向やバターの国家貿易輸入・売渡し状況等を説明した後、出席者が意見開陳した。


会議終了後、意見交換の概要を説明した牛乳乳製品課の本田光広乳製品調整官によると、酪農家の佐藤氏が「生まれた子牛から搾乳を始めるまで時間が必要で、生産を急に増やすのは難しい。北海道の生産は回復しているが、猛暑の影響等で都府県の生産が落ちると、飲用向けを北海道から移送する必要がある。酪農家としてもバター不足は問題だが、一方で他の乳製品が欠品すれば問題になる。全体のバランスを見ながら供給していくことが大事だ」と牛乳・乳製品全体の需給について出席者の理解を求めた。

「農業改革案」を11月に策定 ― 自民党とJAグループが確認

2016-09-10

自民党の小泉進次郎農林部会長とJA全中の奥野長衛会長らJAグループ代表は9月5日、都内で会談し、生産資材価格形成の仕組みの見直しなど農業改革の方向性について意見を交わした。小泉部会長によると、今年11月に改革案の取りまとめを目指す方針をJAグループと共有した。


会談には与党から鈴木憲和衆議、上月良祐参議も出席した。会談終了後、小泉部会長は「日本の農業を発展させるため、持続可能なものとして、産業化を進め、儲かる農業を実現するためにお互い取り組む認識を共有できた」と述べ、改革案の取りまとめに向けJAグループとの連携を深める姿勢を示した。


一方、奥野会長は「一次産業は非常に大事なもの。農業を、日本国家を支える産業にしたい」と述べた。

台風被害で農水省に災害対策本部を設置 ― 山本農相「早期復旧を目指す」

2016-09-10

8月17~30日にかけて相次いで上陸した台風の影響で北海道・東北地方で畜舎や農地等に甚大な被害が発生。農水省は9月1日、山本有二農相を本部長とする災害対策本部を設置した。山本農相は「被害状況の把握と拡大防止、早期復旧に省を挙げて取り組む。一日でも早い営農再開に向けて迅速かつ的確に対策を講じる」と述べた。


農水省によると9月6日現在、台風7号、9号、11号の影響で生乳廃棄が北海道で計110㌧発生。畜舎等被害は北海道と岩手県で計297件。


また、8月30日に上陸した台風10号に伴う豪雨の影響は、北海道・東北で堤防決壊や浸水、停電、断水など広い範囲で被害が出ている。


9月8日現在、生乳廃棄が北海道と岩手県で280㌧、畜舎等被害が北海道、岩手県、宮城県、秋田県で340件確認されているが、岩手県岩泉町では道路寸断等で孤立状態に置かれた地域もある。

「もーもースクールで東日本大震災の被災地を支援」 ― 「交牧連」福島・小名浜第二小学校で出前授業

2016-09-10

地域交流牧場全国連絡会(清水ほづみ会長)は9月6日、福島県いわき市立小名浜第二小学校(津島義勝校長、児童数467名)でもーもースクールin小名浜を実施した。同校の2年生74名、特別支援学級3名に、バター作り体験、搾乳体験、子牛のお散歩などを提供した。交牧連東北ブロックをはじめ全国の酪農家ら18名が参加・協力した。


初めて牛を見て「大きい」、「こわい」と驚いていた子どもたちは、牛とのふれあいを楽しむにつれ「私も牛を飼ってみたい」、「お腹が大きい」、「柔らかくて気持ちいい」と大はしゃぎ。


搾乳体験では「初めて搾った。牛乳が温かかった」、「乳搾りは楽しい」、「ウシが好きになった」と大喜びの様子で、子牛の散歩では子どもたちが我先にと子牛に集まるほどの大人気だった。


もーもースクール開催にあたり津島校長は「牛乳は牛さんからいただいています。美味しいですよね。牛さんと今日来てくれた酪農家の皆さんにありがとうという感謝の気持をもって、今日一日楽しい体験をしてください」と子どもたちに呼びかけた。


交牧連は東日本大震災からの復興支援の取り組みとして、被災地の児童の心の傷を癒すための出前授業を毎年実施。今回は中央酪農会議、東北生乳販連、福島県酪農協が協力した。今年は小名浜第二小学校のほか、岩手県陸前高田市立竹駒小学校(9月21日)、宮城県仙台市立岡田小学校(10月14日)で出前授業を実施する。

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