全酪新報/2017年11月10日号

「長期的には加工乳価の下落懸念」日EU・EPAの影響を農水省分析 ― 経営安定対策の検討が必要

2017-11-10

農水省は11月2日、日EU・EPAにおける28品目の農林水産物への影響を取りまとめた。それによると、牛乳・乳製品については「関税撤廃を回避し、ハード系チーズは、長期の関税撤廃期間を設けたため、当面は輸入の急増は見込み難い。全体の国内需給への悪影響は回避する見込み」と分析した。しかし、牛乳・乳製品は、豚肉などとともに影響度合いが高い品目に分類。「長期的には競合する国産の脱脂粉乳・チーズ価格が下落し、結果的に加工向け乳価の下落が懸念される」とし、TPPの状況も踏まえながら「経営安定対策について検討する必要がある」としている。

お断り=本記事は11月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「TPP、日EU対策に万全を期す」 ― 自民党が11月下旬に政策大綱を改訂

2017-11-10

自民党は11月2日、TPP・日EU等経済協定対策本部を開き、11月8日から10日までベトナム・ダナンで開催されるTPP閣僚・首脳会合に向けての動向や総合的なTPP関連政策大綱の改訂に関する考え方について政府から説明を受けた。同対策本部は日EU・EPA対策を含めて政府が11月下旬に改訂する「総合的なTPP等関連政策大綱」を踏まえ、2017年度補正予算で措置する農業の国内対策について議論し、万全を期すことを確認した。


政府の説明によると、ダナンで開催される会合では、新たな枠組みについて12カ国で署名した一部の規定を凍結し、米国抜きの11カ国で発効させる方向で検討している。10月31~11月1日に千葉・舞浜で開催された主席交渉官会合では、日本は議長国として主導し、ダナン会合で良い成果を実現するための議論が進展した。


同対策本部の森山裕幹事長(元農相)は「TPPは何としても成就させる必要がある。補正予算の中でTPP、日EU関連予算をしっかり確保できるかどうか。そのことが現場の信頼を確保できるかどうかにかかってくる」と抱負を述べた。


総合的なTPP等総合政策大綱について、茂木敏充経済再生担当相は「意欲ある生産者が安定して生産に取り組めるよう、万全な対策を講じる必要がある」と説明。政府は改訂政策大綱骨子案の要点として、強い農林水産業の構築などを示した。7月に示した「農林水産業構築のための基本方針」では、チーズを中心とする乳製品の競争力を高めるため、チーズ向け生乳の新たな品質向上特別対策、生産性向上などを掲げている。


また、岸田文雄政調会長は「先の衆院選で掲げた『TPP、日EUに対する農林漁業者の不安を払拭するため、総合的な政策大綱の改訂を行い、農林漁業者の経営発展を後押しし、経営安定に万全を期す』という公約実現に向け、一丸となって取り組まなければならない」と強調した。

「軽油引取税の恒久化など」酪政連が要望――2018年度税制改正で酪政連が要請

2017-11-10

酪政連は11月9日、自民党の農林・食料戦略調査会、農林部会などの合同会議で、18年度農林関係税制改正について軽油引取税の課税免税措置の恒久化、集荷ローリーに対する軽油免税措置などを要望した。佐々木勲委員長は「酪農経営する上で税制には大きな影響があり、心配している。特に若い酪農家が経営を継続するためには、酪農が夢と希望が持てる産業でなければならない。さらに発展するよう努力したい」と強調した。


酪政連は18年度税制について、軽油引取税関連のほか、①農家所有トラックの車検期間延長、自動車重量税軽減措置の創設②不動産取得税率の軽減③青色申告制度利用者の特典拡充④就農時の贈与税対応――などの改正を求めた。

「酪政連が自民党酪政会の森英介会長ら訪問」――衆院選では推薦候補の当選率90.45%

2017-11-10

酪政連は11月1日、佐々木勲委員長ら三役が今回の衆議院選挙で当選した自民党酪政会の森英介会長(千葉11区)らを議院会館に訪ね、当選を祝すとともに、今後の酪政連の運動について意見交換した。今回の衆議院議員選挙では、酪政連の各会員組織から推薦された自民党等の候補者157名のうち、当選者は142名で、当選率は90.45%だった。


酪政連は今後、11月29日に常任・中央合同委員会を開催し、①畜安法改正に伴うスキームについて②18年度酪農政策予算確保について――を協議し、政府・国会へ要請活動を行う。同日は自民党酪政会の総会も開催が予定されており、その場でも出席した議員に要請する。


今後、12月中旬以降、来年4月に施行される改正畜安法の下で初となる加工原料乳生産者補給金単価、交付対象数量、集送乳調整金等の審議と決定、18年度政府予算案、17年度補正予算案の審議が控えており、酪政連は幅広く要請活動を展開していく。

第11回ナチュラルチーズコンテスト「チーズ工房【千】senに大臣賞――ソフトタイプ、表面に竹炭使用

2017-11-10

中央酪農会議は11月1日、都内で日本のナチュラルチーズの製造技術を競う「第11回オールジャパンナチュラルチーズコンテスト」を開催。今回は73者・161点のエントリーの中から、チーズ工房【千】sen(千葉県大多喜町)の「竹炭 濃厚熟成」が最優秀賞・農林水産大臣賞を受賞した。「竹炭 濃厚熟成」は表面に竹炭を使用したソフトチーズで、日本らしさをイメージした。コンテストは隔年で開催されている。


農水省の枝元真徹生産局長から大臣賞を受け取った柴田千代工房店主は「この景色を目標に日々努力を積み重ねてきた。この場に導いてくれたたくさんの人に感謝を伝えたい」と喜びを語った。


審査は外観、色調、組織、風味についてそれぞれ採点し、上位10点を金賞として選定。最終審査では10点の中から農林水産大臣賞、農畜産業振興機構理事長賞、中央酪農会議会長賞などを選出した。


村山重信審査委員長(チーズオフィス・ムー代表)は「審査項目の各分野で最高というものがあって2日間大変苦労したが、コンテストにチャレンジしてくれる熱い心をチーズが語ってくれるような感覚を持った。作品を公平な目で審査できたことが楽しく、皆さんに胸を張って今回の結果を出せたと思う」と参加者を労った。

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