全酪新報/2020年1月10日号

酪農ヘルパー利用実態調査 平均利用日数23日超える 要員数は前年度比56名減 依然人材確保が喫緊の課題

2020-01-10

酪農ヘルパー全国協会(砂金甚太郎会長)はこのほど、19年8月1日現在の酪農ヘルパー利用組合の実態調査を取りまとめた。それによると、18年度の利用農家1戸当たりの平均利用日数は23.18日で前年度比0.4日増。年々増加傾向にあり北海道・都府県ともに初めて23日を超えた。一方、要員数は1832名で前年度より56名減少した。ヘルパー要員不足が深刻さを増しており、依然として人材確保が喫緊の課題になっている。

全国の利用農家1戸当たりの平均利用日数は年間23.18日で前年度より0.4日増加。北海道、都府県ともに23.2日となり、0.4日増加した。利用日数については、12年度に20日、14年度に21日を超えるなど、増加傾向で推移している。


全国の酪農ヘルパーの利用組合数は19年8月現在、285組合と3組合減少。17年から300組合を下回っている。このうち北海道は86組合で増減なし。都府県は3組合減少の199組合だった。


利用組合の活動範囲内で営農している酪農家は1万3318戸、1利用組合当たり46.7戸で、カバー率88.6%(0.4ポイント低下)。このうち利用組合参加戸数は1万809戸(1利用組合当たり37.9戸)で、参加率は81.2%と1.1ポイント上昇した。


北海道の利用組合の活動範囲内戸数は5470戸で1組合当たりでは63.6戸(利用組合カバー率91.6%)。利用組合参加戸数は5000戸で1組合当たり58.1戸(利用組合参加率91.4%)。


一方、都府県は7848戸で39.4戸(利用組合カバー率86.6%)。うち利用組合参加戸数は5809戸で1組合当たり29.2戸(利用組合参加率74.0%)と、利用組合参加率は北海道よりも大幅に低い状況になっている。


18年度のヘルパー利用戸数は9410戸で347戸減少(前年度比3.6%減)と減少推移を続けている。うち北海道は4147戸で230戸(5.3%減)、都府県は5263戸で117戸(2.2%減)とそれぞれ減少している。


病気や事故等の傷病時の利用については18年度で80の互助組織があり、39都道府県の212組合が参加。利用組合、互助組合ともそれぞれ1組合減少している。18年度は1965名が互助制度の対象となり前年度を37名下回った。


18年8月現在のヘルパー要員数は1832名で56名減少。依然として減少に歯止めがかからない状況が続いている。


専任ヘルパーは1043名


要員数の内訳をみると、専任ヘルパーは1043名で前年比19名減、臨時ヘルパーは789名で37名減少。1利用組合当たりの専任ヘルパー数は3.7名で前年同、臨時ヘルパーは2.8名で0.1名減少した。


女性の専任ヘルパーについては134名と10名増加し、北海道、都府県ともに67名だった。

お断り=本記事は1月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

関東生乳販連 飲用向据置きで要請 はっ酵向、学乳向も同様で

2020-01-10

20年度の乳価交渉について、関東生乳販連は昨年12月26日、取引乳業メーカーに対し、飲用向け・はっ酵乳等向け・学乳向け乳価を「前年度据え置き」で要請した。乳業側とも情勢認識を共有しており、要請通り据え置きで決着する見通し。今後、大手乳業3社と中小・農協系乳業との合意を目指して交渉を進める方針で、加工向けはホクレンの交渉動向をふまえて決定する見込み。


今回の据え置きは、頻発する自然災害や国際化の進展、18年度の牛乳生産費調査の結果等を加味して判断したもの。交渉の見通しに関して同販連は「酪農家の状況についての情勢交換を乳業と行ってきている中で特段認識にズレはない。ご了解いただけるのではないか」としている。

日米貿易協定発効 20年1月1日より

2020-01-10

18年より交渉が進められてきた日米貿易協定が今年1月1日に発効した。乳製品はTPP協定と同水準で、脱脂粉乳・バター等も新たに米国枠を設けないため、影響は「TPPの範囲内」に収まるとされているが、米国内では市場アクセスに関して追加交渉を求める動きもあり、動向には注視する必要がある。


昨年末に農水省がとりまとめた日米貿易協定の影響試算によると、牛乳・乳製品における生産額への影響は約161~246億円で、増頭・増産対策など各種の国内対策により、「国内生産量は維持される」と見込んでいる。


一方、昨年9月に発出された日米共同声明には、より包括的な協定に向けて、発効後4カ月以内にも関税などその他課題についても交渉を開始する旨が明記されており、国際化に負けない体制整備が急がれる。

中畜・交歓会 中小・家族経営の振興に配慮 関係者約250名が新年祝う

2020-01-10

中央畜産会(森山裕会長)は1月6日、都内で2020年賀詞交歓会を開き、出席した約250名が新年を祝った。森山会長の挨拶を代読した井出道雄副会長は「中小・家族経営の振興に十分配慮し、国際協定発効に伴う関係者の不安・懸念払拭に努める」と述べた。また、来賓挨拶の中で農水省の水田正和生産局長は、見直し作業を進めている基本計画、酪肉近、家畜改良増殖目標について「一つ一つ丁寧に議論を重ね、今後の経営発展に寄与できるよう、しっかり取り組んでいく」と説明した。


賀詞交歓会には、農水省から水田生産局長をはじめ、枝元真徹大臣官房長、新井ゆたか消費・安全局長、渡邊毅畜産部長ら多くの幹部が出席。日本の畜産ネットワークの幹事団体である酪政連、全国肉牛事業協同組合、日本養豚協会の代表者らが登壇し、それぞれ抱負を述べた。


主催者挨拶の中で井出副会長は「将来の畜産経営の中枢を担う家族経営への経営指導を基本に、家畜防疫・衛生対策、経営改善のための資金対策、幅広い情報提供などに積極的に取り組む」と事業方針を説明した上で「今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されるため、世界から注目されている。国内の農畜産物の消費拡大に大きく貢献して国内経済を盛り上げていくとともに、人・モノの動きが激しくなると家畜防疫の正念場を迎える。様々な対策を進めなければならない」と呼び掛けた。


一方、水田生産局長は「名実ともに新たな国際環境に入ってきた。こうした中、農水省は昨年12月に改訂した総合的なTPP等関連政策大綱に基づき、海外への輸出をはじめとして今後も増加が見込まれる需要に対応するため、肉牛、乳牛の増頭・増産、和牛ETの積極的な活用など総合的に推進する」と説明した。


その上で「農水省としても生産者の不安や懸念に向き合い、意欲ある生産者が将来にわたり希望を持って畜産経営に取り組めるよう、経営安定対策を含めて必要な対策をしっかり講じていく」と強調した。

業界時評 第7回

2020-01-10

酪農界の2020年の幕開けを華々しく彩る全酪新報さんの新年特集紙面の都合から、いつもの1日付紙面の記事掲載ではないため、年明けて10日後の間の抜けたご挨拶となりますが、読者の皆様に新年のお慶びを申し上げます。


スポーツも乳牛もオリンピックの年


本稿を書くのは旧年末のことであり、迎えた2020年の新年賀詞交歓会などで、酪農乳業界のトップの皆様が、新年へのどんな抱負や期待をメッセージとして業界内に発信しているかは、残念ながら、まだ聞いていません。


しかし今年は日本開催としては長野以来22年ぶり、東京では56年ぶりとなる特別なオリンピックイヤーであることは、年が明ける前から皆様も楽しみにしていることでしょう。世界を舞台に活躍している日本の、そして世界のトップ・アスリートたちがどんな感動を授けてくれるのか、私個人もそれを見るのが待ち遠しい1年です。


何よりも酪農界では、最近「乳牛のオリンピック」というキャッチフレーズもそれなりにマスメディアに浸透してきた、概ね5年に1度の「全日本ホルスタイン共進会」が10月31日から11月2日に宮崎県都城市で開かれる特別な年であります。


今回で第15回目を迎える全共は、従来の1県単独主催形式から、今回、九州7県+沖縄県の「九州・沖縄ブロック開催」形式で、初めて行われるものです。前回の北海道大会は、まさに酪農王国・北海道の名に恥じぬ活況を見せました。生乳生産の減退が続く都府県ですが、酪農王国は何も北海道ばかりではないぞ、という九州酪農界の皆様が牽引役となって、今回の全共の盛り上がりが、都府県の生乳生産の活力を鋭く回復させていく「転機」を演出するような、前回以上の大成功を収めるよう願うばかりです。


乳の健康価値に転機 特別な3年の幕開け


酪農家の皆さんには、あまり周知が及んでいないかもしれませんが、オリンピックイヤーだから、ということとも密接に関連して、今年は東京で、「世界栄養サミット」も開かれます。詳細な開催日程等は現時点で寡聞にして承知していないですが、オリンピックとパラリンピックが終わった後、12月ごろの開催と仄聞しています。


Jミルクは旧年に東京で「ジャパン・ミルク・コングレス」という、牛乳乳製品の健康価値を考える大規模セミナーを開催しましたが、2回目となる今年は、この世界栄養サミットに合わせて開催する計画だそうです。


旧年の、このジャパン・ミルク・コングレスでは、日本を代表する栄養学の大御所・中村丁次先生(日本栄養士会会長)が人類の持続可能性と栄養学の果たす役割について、素人耳にも大変有益な勉強になる講演をされていましたが、その際に中村先生は、今年東京で世界栄養サミット(Nutrition Summit)、翌21年には栄養国際会議(International Congress of Nutrition)、さらに翌々22年には食をめぐるアジア国際会議(Asian Congress of Dietetics)と、3年続けて日本で栄養学の大規模な国際会議が開催されるという、日本の栄養学にとって「特別な3年間」が幕を開けるのだ、と教えてくれました。


日本国内でも独特の進化を遂げている、乳酸菌の健康機能科学をはじめ、人類の永続を支える牛乳乳製品の本質的な健康価値が、あらためて、より深く検証される機会となることは間違いなく、当然、国内乳業各社もこの好機に合わせ、牛乳乳製品の健康価値をめぐる日本の知見や成果を国際社会にアピールすべく、極めて意欲的かつ野心的な商品展開をしていくだろうと期待されます。


活力次第で「評価・支援」はついてくる


人類の「持続可能性」をどう確立するか、が近年の国際社会で最も重要なテーマとなり、活発な議論が世界規模で展開されていますが、「栄養と健康」を通じ、人類の永続に貢献する牛乳乳製品、そして酪農乳業産業というものが、これからの2020年代、あらためて確固たる評価と信任を得ていく上で、この2020年が特別な意義をもたらす年となることを、私は信じて疑いません。


また今年は3月ごろに、向こう10年間の酪農政策に関する、国の基本方針「酪農・肉用牛生産の近代化に関する基本方針(通称・酪肉近)」が改定され、その中では国内酪農の積極的な増産方針を打ち出すとともに、20年度から国の新たな「増頭・増産支援対策」も動き出します。


酪農乳業の「産業的意義」について、足下の基盤をさらに確かにし、視野を広く開いて、その確固たる基盤の上を、前に向かって力強く歩み出す。酪農家の皆さんにとっても、そういう自信あふれる「勇躍」の歩みの確かさを実感できる1年になることを、信じますし、そう願って止みません。(酪農乳業ジャーナリスト・稲葉武洋)

酪農会館建設の経過
全国酪農協会

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(指導部・全酪新報編集部)
     :03-3370-7213
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アクセス JR・都営大江戸線ともに
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酪農ヘルパー全国協会 第15回 全日本ホルスタイン共進会 九州・沖縄ブロック大会 日本ホルスタイン登録協会 GEAオリオンファームテクノロジーズ株式会社 株式会社ピュアライン 株式会社セイワ あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 相互印刷株式会社 西桜印刷株式会社 ウシのきもち、ヒトのきもち 牛群検定クイックチェック 警察庁防犯教室

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