全酪新報/2022年11月20日号
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「第2次補正でチーズ向け増加に奨励金」――生乳1㌔当たり20円

2022-11-20

11月8日に閣議決定した第2次補正予算案では、2021年度補正でも実施した国産チーズの競争力強化対策に53億3200万円を計上した。酪農家のチーズ向け原料乳の高品質化等の取り組みへ奨励金を交付するメニューにおいて、乳質基準を満たした生乳の割合を増加させた場合に「生乳1㌔当たり20円」を交付する支援策を追加した。そのほか、国産チーズの生産性向上に必要な施設整備、需要拡大に向けた取り組み等を引き続き支援する。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は11月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「牛乳の販売個数2%減、11月第2週Jミルク需給短信」――今後は不透明、注視必要

2022-11-20

Jミルクが11月17日に公表した直近(11月7日週)の飲用等向けの販売状況によると、牛乳の販売個数は前週と比べて減少したものの前年比は2.0%減で、前週の2.5%減よりも減少幅は縮小した。牛乳類全体でも同様の傾向で、前週の1.7%減に対して直近週は1.0%減。現時点では、11月の価格改定による牛乳の消費減退の影響はわずかな程度に留まっている。


一方、新型コロナ感染症の第8波の兆候、続く物価高や節約志向による消費への影響、現在の牛乳消費の傾向が今後も継続するか不透明なこともあり、牛乳類全体の需要動向は引き続き注視が必要だ。


このほか、成分調整牛乳は3.0%減、加工乳は前年同。他方で、牛乳類全体では落ち込む中で、乳飲料は5.0%増と前週の1.6%増に続き伸びている。


また、ヨーグルト類は前週に比べてドリンクタイプの販売個数は横這い、個食・大容量タイプは減少した。ドリンクタイプは5週連続で前年を上回っている。


価格改定の影響と不需要期が重なることもあり、牛乳の消費減退が懸念される中、関係者一体となった消費拡大が喫緊の課題となっている。今後、家庭内消費がさらに落ち込むという厳しい可能性もあることから、Jミルクは「例年生乳需給の大幅な緩和が想定される年末年始を見据え、継続的な需要喚起に取り組むことが重要だ」としている。

「大手乳業3社、年末年始に向け生乳処理体制の効率最大化」――需要拡大の取り組み推進

2022-11-20

大手乳業メーカー3社が11月10日までに行った2023年3月期第2四半期決算説明会の席上、各社の経営トップがそれぞれ、昨年の需給緩和を上回る水準も想定される年末年始の生乳需給について言及した。処理不可能乳の発生防止へ、各社とも生乳処理体制の整備や効率最大化、需要拡大に向けた取り組みを一層推進していく姿勢を強調した。発言は次の通り。


明治HD・川村社長


需給は非常に緩和している状況で、短期的には生乳生産抑制などの措置を取らざるを得ず、需給ギャップの解消へ生産者団体を通じて現在取り組まれているところ。乳業者としても需要開発という方向に舵を切り、需給ギャップの早期改善に努める。


雪メグ・佐藤社長


非常に不安な声が多く上がっている。当社は北海道に6カ所の乳製品工場があり、主に余乳対応はバターを主力とする磯分内、幌延の工場で受け入れて処理する準備・体制を整えている。また、チーズの生産工場でもそれらの対応を検討しながら進め、年末と年度末も含めしっかりと生乳処理を行える形へ進めたい。


森永乳業・大貫社長


処理不可能乳の発生回避は業界共通の課題。乳業者の一員として需要拡大に向けて様々な施策を講じてさらに進める。また、北海道の乳製品工場に加え、都府県の工場でも生乳処理の最大化に全力を上げて臨んでいきたい。一方で将来に向け、生乳生産基盤を毀損しないことを視野に入れることも非常に大事だ。

「年末年始等の生乳需給、国も消費拡大盛り上げる」――大熊課長

2022-11-20

直近の生乳需給をめぐり、農水省の大熊規義牛乳乳製品課長は「足元の需給は引き続き緩和傾向で推移している。今後不需要期に向かう中、飲用向け・発酵乳向け乳価が引き上げられたことから、(製品価格の改定による)消費減退も懸念される」と厳しい見通しを指摘する一方、処理不可能乳の発生が懸念される年末年始等に向けて「国としても『牛乳でスマイルプロジェクト』等により年末年始に向けて消費拡大を盛り上げ、需給の安定を図っていく」との意向を強調した。11月4日に行った酪農専門紙との懇談の中で述べたもの。


また大熊課長は、工業製品と異なり、生乳は需要の変動に応じて機動的に調整することが困難な農産物であることを改めて強調。「生乳生産量の調整には中長期的な視点が不可欠だと認識している。需給動向については日頃から生産者団体や乳業メーカー等と経産牛の飼養動向も含めて、情報交換を行って注視しているところだが、将来の生乳需給に過不足が起こることのないよう、引き続きしっかりと対応していきたい」との考えを示した。

「2022年度上半期、生乳生産は堅調に推移」――牛乳は需要期伸びず0.4%減

2022-11-20

2022年度上半期(4~9月)の生乳需給については、生乳生産量は0.6%上回った一方、飲用最需要期に消費が振るわなかったこともあり牛乳生産量は0.4%減少した。生乳需給は引き続き緩和傾向で推移している。11月からの牛乳価格値上げによる消費減退が懸念される中、消費拡大の取り組みの重要性は一層増しており、年末年始へ国も含め業界一丸となった対応が求められている。需給動向は農水省牛乳乳製品課が取りまとめたもの。本紙など酪農専門紙に説明した。


今年度上半期の生乳生産量は、385万6900㌧で前年同期比0.6%増。うち北海道219万1800㌧(1.4%増)と引き続き上回る一方、都府県は166万5100㌧(0.5%減)と減少した。


用途別処理量を見ると、牛乳等向けは業務用の需要が回復していることもあり、203万6300㌧(0.4%減)と微減にとどまった。


一方、乳製品向けは179万7800㌧(1.8%増)。内訳をみると、液状乳製品向けは62万1100㌧(0.2%増)と前年度並みで、チーズ向けは22万8900㌧(4.7%増)と好調に推移。脱脂粉乳・バター等向けは第2四半期単体では減少したが、上半期では91万7800㌧(2%増)と上回った。


消費面については、飲用牛乳等は減少。うち牛乳は業務用需要の増加が家庭用の減少を補い、162万200㌔㍑(0.4%減)と微減にとどまった。加工乳(10.4%増)は前年同期を大きく上回った。また、乳飲料(2.0%減)、はっ酵乳(6.8%減)は下回った。


乳製品生産量は第2四半期では脱粉は減少、バターが横這いだったものの、上半期全体では増加。期末在庫量は在庫削減対策が奏功したものの、脱粉は9万2800(3.2%増)と依然高水準が続く。バターは、経済活動の活発化など非常に需要が好調なことから、3万9千㌧(6.4%減)と下回った。

生乳生産量の推移

外之内とのうち加奈さん(茨城)に黒澤賞」――仙台で第73回日本酪農研究会

2022-11-20

日本酪農青年研究連盟(檜尾康知委員長)は11月16日、仙台市の江陽グランドホテルで第73回日本酪農研究会を開き、6名の酪農家が経営概況や将来展望などを発表。最優秀賞の黒澤賞に外之内加奈さん(㈱美野里牧場、茨城県小美玉市)が輝いた。また、豊かな生活を実現した発表事例に贈られる太田賞には、渕上浩台さん(兵庫県神戸市)が選ばれた。大会には関係者200名が出席した。


美野里牧場4代目の外之内さんは2014年に実家に就農し2017年に結婚。世代交代を進める中、2019年に大幅な赤字を計上したことから、家族全員で話し合い、両親の経営スタイルをベースに数値や指標に基づく飼養管理へと転換。繁殖管理等に取り組んだ結果、経営が安定した。現在は個体乳量1万㌔超、労働10時間当たり所得も非常に高い。

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