乳滴/2021年12月1日号
杞憂であれと願う

1年前、帰省・冬のレジャーシーズンを控えたまさにこの時期に、いわゆる新型コロナ第3波が猛威をふるい、実施中だったGoToトラベル事業の継続が心配されていた。ひるがえって今年はワクチン接種率が7割を超え、国内の新規感染者数もここ数週間、激減している。身近な所でコロナ以前の生活リズムが戻りつつある。毎朝の通勤ラッシュ。道路も鉄道も混んでいる。晩飯でもと入った小さな居酒屋では「あいにく満席で」と店主に言われた週末。京都に出かけた知人によれば紅葉の名所が多くの修学旅行生で賑わっていた。「外人さんはいなかった」とも。経済回復には重要なインバウンド需要が以前の水準まで戻るのかは残念ながらまだ不透明だ。
先月末頃から、新型コロナの変異型、オミクロン株の感染者が世界各地で見つかっている。感染力の強さや症状の重篤性がまだ不明な段階の11月26日、米ニューヨーク株式市場でダウ工業株平均が1千㌦超値下がり今年最大の下げ幅を記録。スイス・ジュネーブで30日に開かれるはずだったWTO閣僚会議も延期を決めたとの報道があった。
市場の反応、WTO事務局の警戒が杞憂であってほしい。念のためマスク着用、手洗励行は継続的に粘り強く続けていくべきだ。