乳滴/2024年6月10日号
借入金、金利上昇リスク
日銀がマイナス金利の解除等の政策変更を3月19日に実施以降も(期待むなしく)相変わらず1ドル150円台の円安が継続。輸入飼料等の生産資材の高止まりにつながっている。20年の100円台が遠くに見える。
円安の要因の一つに挙げられるのが、日米の金利差。中央銀行(日本の場合は日銀)が設定する短期金利の誘導目標である政策金利をみると日本は0.1%に対して、米国は5.50%、(金利が)低き円から高きドルに資金が流れるわけである。
一方、需給バランスや物価等により変動するといわれる長期金利(1年以上)の代表的指標といわれる10年国債の金利は一時13年ぶりに1.1%(米国債の利回りは4.4%)に上昇するなど、長期金利が上昇傾向。金利の上昇は、資金運用にとってはプラスだが、資金の借り入れには、貸出金利が上昇すれば返済額が多くなるわけで影響が大きい。
酪農は、機械や設備、乳牛の導入、農地の取得と多額の資金が必要であり、資金の借入は必須だ。この先をみると、返済計画に頭を悩ます経営者も多いだろう。機械・設備の更新を機に後継者不在の場合、経営を止めるきっかけにもなりかねない。他の生産資材同様に農機具の価格も高騰しており、資金対策強化も要望したい。