乳滴/2024年8月10日号
酪農に特別警報、発令中
(数十年に一度の)重大な災害が起こるおそれに対する最大級の警戒を呼びかけるのが気象庁の特別警報だ。その頻度が多くなっていると感じる。先の秋田県や山形県での線状降水帯の発生による豪雨・河川氾濫による農業被害も大きなものとなった。
昨年の夏は観測史上最高の暑さだったが、今年も匹敵する猛暑・酷暑になるのではと予想されている。一部地域を除き梅雨が短かった分、一気に猛暑がやって来た。7月に入って静岡県で40度台の災害級の暑さに襲われたのをはじめ、乳牛にとっても作業する酪農家にとっても厳しい暑さが続いている。
昨年は、猛暑で乳量の減少、分娩時期のズレなどの悪影響が起きたが、今年も同様に心配される。暑熱ストレスにより生産乳量が減少しており、一方、暑さで伸びを期待している牛乳消費量は、前年を下回るなど、物価高騰による消費者の生活防衛の影響もあるのではないか。栄養面を考えたら学乳休みの夏休みには、ぜひ子供たちに牛乳乳製品を食べさせてほしい。
生産乳量が減る、暑熱により乳牛が痛む。生産現場の厳しさに追い打ちをかけるものである。酪農経営の現状は、依然として〝特別警報〟が発令されたままの実態にあり、業界以外にも改めて理解を求めたい。