乳滴/2024年10月20日号
自分の胃袋は自分で
所属JAから「理事会で今年産米の概算金上乗せ決定」の手紙が届いた。うれしいが、短期の需給によるもので「たまたま今回だけ」という気もするので安心できない。
今夏のコメ不足騒動の最中、国のコメ政策に言及した報道がみられたが、次の2点で、消費者もある程度対応できたと思う。
①コメは農家が毎年田んぼで作る農産物で、作況は天候に左右される。昨年は猛暑で主産地の1等米が減った。どうしても安定的に毎日食べたいなら、購入・保管方法に気を配り、いつもより少し多めに買って対応することもできた。
②毎年のことだが秋には新米が出回り始める。8月に店の棚にコメがなくなっても慌てず、食べる量を減らすなど調節しながら新米出荷を待つ選択肢もあった。
私の身の回りの聞き取りでは1カ月当たり購入量は5㌔の世帯が多い。「高くなった」といっても5㌔せいぜい3千円。1日当たり100円。まだ十分安い。今どきコンビニのカップ麺でさえ200円以上する。
お金を出しても買えなくなる事態が有り得ると分かった今、街の人には、胃袋は自分のこととしてよく考えて、農業に関心を持ってほしい。仮に、もっと大変な状況になってしまった時、政治を批判してもお腹は満たされないのだ。