乳滴/2025年2月10日号
農村の今そして将来

5年ごとの農業センサスの実施年。経営規模、後継者・雇用の有無、収入水準などを書く。調査の趣旨は「農林業の生産構造及び就業構造等の実態や農山村地域の現状を把握、農林業に関する諸統計調査に必要な基礎資料を整備する」(農水省)とのことで、農政に生かされるよう期待しつつ回答した。
「農地持ってる人全部に会わなきゃならないから結構たいへんだった」。ボヤきながら調査票を届けてくれたのは地区役員のAさん。最近勤めを定年退職(こういう人に役が回ってくる)した。彼曰く「歩いてみて実感したけど、田んぼやる人はここ何年かでうんと減りそうだよ」という。面談した50戸余のうち、調査対象に該当したのは半分程度とのこと。
当地区の農地所有者はほとんど勤めに出ていて、休日に自宅周りの小さな水田や自家菜園をやる程度。機械が壊れたり、高齢で農業ができなくなると、数戸の専業経営(苺や花との複合)に農地管理をお願いするという流れが、10年くらい前まではあった。今、逆にそれら専業の方々が引退し、農地の管理が、それぞれ元の所有者に返されつつある。そんな中、地区の最年少は私のようで、この状況はピンチのような気がするが、発想の転換でチャンスになる可能性もあるのかどうか。