乳滴/2024年5月10日号
消滅は仕方ないか
地方自治体持続可能性分析レポート(人口戦略会議)の「消滅可能性自治体」の報道があり、地元紙には私が今住んでいる町と周辺農村が、消滅可能性ありとして列挙されていた。
同居人は「仕方ないんじゃない」と素っ気ない。大都市圏出身の彼女は、新鮮な農産物、四季の豊かな風景等、いつもは農村の良い部分を理解してくれているようだが時に辛辣だ。曰く学校・商店・コンビニ・病院等の重要インフラが遠い。公共交通機関がない。それでいて住民税や公共料金は大都市圏と同水準、というか前述の不便さを考えると逆に割高。夏の暑さは体温超え、冬の寒さもひとしおで光熱費も嵩む田舎暮らし。冬の早朝や夜間、暗闇の県道を徒歩や自転車で行くのは危ないので、車はひとり一台。軽自動車でも十分なのだが、それでも一台は一台。車検・保険等維持費はかかる。
分析対象自治体のうち消滅可能性に分類された私の町は、なかでも自然減対策と社会減(人口流出)対策が極めて必要なC3分類に。C3は県内唯一で、全国にたった23(1%)しかない。
数値はともかく、日頃の地元の元気のなさは明らかで、事態は抜き差しならないところに来ている。なお地元農協は20年以上前に市町村域を越えて合併、機能している。