乳滴/2024年12月1日号
厄介な虫害対策
関東以西の太平洋側で、最高気温が季節外れの夏日(25度超)を記録した11月17日。畑まわりの藪の整理をした際、あまりに暑かったので腕まくりで作業したところ、数カ所を蚊に刺された。どこかに隠れていたのだろう。真夏なら日除けの腕カバーを付けるところだが、前日はストーブを焚くほど冷えたし、当日朝も寒かったので油断した。晩秋の蚊はかゆみが特に強い(気がする)。かゆみならキンカンでも塗っておけばいいが、問題は蚊が媒介する病気の存在だ。
届出伝染病のランピースキン病が国内で初めて確認された。蚊など吸血昆虫が感染拡大の主な要因とされている。現地で対応に当たっている方々のご尽力には敬意を表する。霜月半ばを過ぎてなお夏日があったり、蚊の対策をしなければならなくなったのは、気候変動のせいなのか。
イネカメムシ被害も深刻で、今年の収量が2分の1、3分の1に減ってしまった田んぼが近所にある。少なくとも例年並みの出荷ができるようにと、真摯な気持ちで丁寧な作業を心がけたとしても、虫害対策には限界がある。被害を受けた農家の気持ちを考えると気の毒だ。
除草剤による雑草対策と違って、農薬を撒いても他所から飛来する可能性がある。虫対策は厄介な問題だ。