乳滴/2024年5月1日号
大型連休の需給調整
春休み期間中の需給緩和を乗り切った生乳需給は、例年同様に5月の大型連休期間に、もう一つのヤマ場が来る。関東(首都圏)で飲用向けに処理仕切れなくなれば、東北、あるいは遠く九州の加工処理メーカーまで行かざるを得ない。当然、その分の経費が多くかかり、プール乳価の下げにつながる。コロナ禍以降「何としても処理不可能乳を出さない」と関係者が総力を挙げてきたが、今年もその季節が巡ってきた。
Jミルクの1月時点の予測では、飲用向けの柱である牛乳消費は6年度を通して前年度比1.1%減の予測。需給短信では、4月上旬は気温上昇も、雨天が続くなどの天候が影響して牛乳類全体では苦戦しているという。継続的に消費喚起を呼びかけている。引き続き「牛乳でスマイルプロジェクト」「土日ミルク」等のキャンペーンに加えて、関係者が一丸となった行動が重要である。
牛乳乳製品が健康に良いことは多くの人たちに知られているが、エビデンス(根拠・裏付け)のある情報提供が説得性を増すことは確かだ。各乳業も数多くの研究成果を発表しているが、㈱明治は、4月19日に「加齢に伴う免疫機能の低下に、ヨーグルトの摂取が有効な方策となる可能性が示唆される」研究成果を発表した。高齢者に知らせたいものだ。