乳滴/2022年4月20日号
世界の食料価格が急騰

昔も今も食料の価格、安定供給は、治世の根幹である。飢えほど恐ろしいものはないことは歴史書や現在においても飢餓に悩む多くの貧困国では日常で最大の問題である。
世界の食料価格が高騰している。国連食糧農業機関(FAO)の食料価格指数の2022年1~3月のグラフを見れば、他の年と比較して上昇という表現では生やさしいほどだ。天を衝くように高騰している。
FAOの食料価格指数は、食品を乳製品を含む5つのグループに分けてそれぞれの指数を平均したもので、国際価格の毎月の変化の尺度となっている。
現在の指標は2014年~16年を100としたもの。今年3月の同指数の平均は159.3㌽で2月から17.9㌽(12.6%)上昇し、1990年の同指数創設以来の過去最高を更新した。ロシアのウクライナ侵攻も加わり、植物油、穀物、肉の指数は過去最高、砂糖と乳製品も大幅に上昇している。
3月の乳製品価格指数は平均145.2㌽で2月から3.7㌽(2.6%)上昇し、7カ月連続の上昇。前年同月比で約2割強以上上昇している。
西欧やオセアニアで需給が引き締まっていることや、バターと粉乳はアジア市場の輸入需要が増えている。世界情勢の波乱の予兆を感じるほどだ。