乳滴/2022年7月10日号
できることは何でも

酪農経営は非常事態だ。6月の中酪のアンケート調査で、現在の経営環境では6割近くが経営を続けられないとした。さらに7月以降の配合飼料価格(乳配)が過去最大の1万1200円上昇。「配合飼料は1㌧約10万円、輸入乾牧草(米国産アルファルファ)も同様だ。とてつもない価格上昇となった」と肩を落とし語った酪農家。
新型コロナ禍で大打撃を受けている酪農乳業界に、ウクライナへの軍事侵攻が追い打ちをかけ、対応次第では、日本酪農の基礎が崩れる状況に直面している。
過去に例のない生産コスト急上昇。従来の政策・対策では対応しきれないことは明らか。県単独事業に加えて市町村にも対策を要請したい。酪農乳業団体もしかりだ。とにかく、できることは何でも何度でも切れ目なく総結集させて、しかも一番肝心なことは「スピード」だ。時間が経過するほど、事態は悪化する。
乳価交渉では乳業者、量販店等の販売や消費者に実態を訴え、従来の価格改定までの3カ月ルールを今回に限り何とか短縮できないか。最需要期の9月からの値上げを粘り強く交渉してほしい。消費が減少するなど値上げ実施の影響は、腹をくくって対策するしかない。大災害と同じであり、政府・国会挙げた緊急対策が不可欠だ。