乳滴/2022年8月1日号
次は政府へ対策要請

乳製品の過剰在庫を抱えながら、しかも期中改定という難交渉が、関東生乳販連と大手乳業者の間で妥結した。製品価格の値上げによって、心配される需要の減少などには、引き続き酪農乳業界が結束して取り組みを強化しなければならない。同時に北海道の酪農家も同様に苦境にあり、柱となる加工原料乳の補給金単価や集送乳調整金も、政府は期中改定を実施すべきである。
一方、過去最悪の経営環境にある酪農家にとっては、これ以外にも引き続き様々な対策が必要な状況にある。焦点の一つは、来年度予算の概算要求、秋の臨時国会での第2次補正予算案の編成、その後の畜産物価格・政策決定に向けて、緊急の経営対策を要請していかなければならない。
消費者にも理解を求めることは重要だ。今回の牛乳等の11月以降の値上げは、利益を求めてのものではなく、新型コロナ禍やウクライナ侵攻による急激な生産コスト上昇への対応であること。必要とされる生産コストの上昇分の価格転嫁の一部に過ぎないことだ。酪農家の自助努力ではどうにもならない情勢にあるし、今後とも持続して生乳を安定供給するためには、これからの対策が日本酪農の将来を左右する。繰り返しになるが、スピードを持ってできることは何でもしなければならない。