乳滴/2022年10月10日号
牛乳には味方が多い

今月初めのスーパーは値上げラッシュだった。特に、1日出荷分から高くなるビール類をまとめ買いする駆け込み需要の様子を伝えるテレビの情報番組は何度も見た。実際、酒類売り場では駆け込みを煽るようなPOPも見た。
毎晩晩酌を楽しむ人たちにとっては切実な問題だろう。
晩酌習慣はないがビール好きな筆者に置き換えて想像すると、手許に買い置きがある限り飲むペースが早まり、計画よりも早く飲み切ってしまうはずで、結局自分にとってトクだったのかどうかが曖昧になる。ビールに関して言えば、結局、在庫が供給者から消費者にゴッソリ移動するだけでは、との思いもあり、この手の煽りには乗らないことにしている。
さて本題。11月から牛乳・乳製品の値上げがあると知っていても、買いだめ出来ないのが牛乳だが、乳幼児から高齢者まで幅広い世代に支持されており、消費のすそ野が広いのが牛乳の特長である。「味方が多い」とも言えよう。
何より美味しいうえに健康にいい。生産費等の事情からやむなく値上げとなるが、その背景について引き続き丁寧な説明が必要だ。農水省等政府、Jミルク等の業界が味方なのも牛乳の強みであり、業界が一致結束して苦境を乗り越えねばならない。