乳滴/2022年10月20日号
観光消費への期待

政府は10月11日から入国者数の上限撤廃や、外国人の個人旅行客の入国解禁等、新型コロナウイルス対策の水際対策を緩和した。一部措置を除けば、ほぼ19年の新型コロナ以前の状態に戻る。
また、併せて同日(東京都は20日)から、観光需要を喚起するため、宿泊や飲食費用の一部を国が助成する「全国旅行支援」がスタートした。
新型コロナ禍では、飲食(外食)や観光需要などが激減。酪農乳業界も業務用需要が大幅に減少するなど、大きな影響が出た。それが今日の脱粉・バター等の乳製品過剰在庫の要因ともなった。
政府の水際対策は段階的に1日5万人まで徐々に緩和されてきたが、法務省によると今年1~8月までの訪日外客数累計は約82人万。19年の同期比96.3%減と、ほぼ消えた状態が継続している。
そもそも国内における旅行消費総額は19年度が27.9兆円(うち訪日外国人旅行の占める割合は4.3%、4.8兆円)。これが20年度に11兆円(同6.4%、0.7兆円)と全体で約4割まで激減した。外国人だけではなく、主力の日本人の旅行需要も止まっている。次の新型コロナ流行へ備えと対策をしつつ、観光地で購買力のある中高年の女性客に、お土産等を購入してもらえれば、バター等の需要も動き出す期待がある。