乳滴/2022年11月10日号
動き出せバター消費

「新型コロナウイルス対策をした上で」との前提だが、10月20日号に国内外の観光消費(土産物等)増により「バター等が動き出してほしい」と願望を記した。
10月25日公表の農水省・牛乳乳製品統計では、バター在庫が前年同期比6.4%減の3万9016㌧と5カ月連続で前年を下回った。ただ、肝心の脱脂粉乳在庫は同3.6%増の9万2825㌧。在庫低減対策を推進しているのに関わらず、依然、過去最高水準にある。
訪日外国人の観光旅行消費に占める割合は6.4%(20年度)だが、徐々に訪日客数は増加している。政府観光局によると、10月11日の水際対策をほぼ元に戻す以前でも、本年1~2月の月間1万人台が4月に約14万人と二桁、8月は約17万人、9月は約20万人と推計されている。
Jミルクの予測では、バターはホクレンの独自対策を加味した場合の年度末在庫は3万9600㌧(前年度同)の見通し。脱脂粉乳は在庫低減対策やホクレンによる独自対策を考慮した場合、6.1%減、9万1700㌧まで縮小する見通しだ。
これに11月値上げの消費減少と今後の生乳生産抑制の取組の増減要素が加わる。冬に向かい新型コロナの増加傾向が北から見え始めたが、大規模にならないよう願う。