乳滴/2022年11月20日号
一連の関係者の尽力

ある朝ラジオで牛乳・乳製品値上げの話題を扱っていた。「値上げを実感しており、なるべく値引き品、安いものを買うようにしている」との街の声。一方、昨年末以降牛乳廃棄の危機が伝えられていたけど、牛乳生産量は多いのに値上がり?というラジオパーソナリティの疑問に対し「以前牛乳が不足した際に需要に応えようと規模拡大してきたところ、コロナで消費が減ってしまい、2つの要素が重なった」という酪農家の説明があった。食生活に欠かせない牛乳・乳製品への関心は高い。
生産費高騰でやむなく値上がりとなったが、それでも今のような価格帯で牛乳が買えるのは、酪農家をはじめ乳業会社、流通小売りも含めた一連の関係者の努力による。酪農家が消耗し、産業が衰退してしまえば、買いたくても買えない時が来ないとも限らない。
本紙前号で伝えたように、政府は牧場の生産抑制支援のため1頭15万円を交付する事業と、乳製品長期保管への助成で、計57億円を措置した。業界の血のにじむような努力が続くなか、一刻も早く明るい出口の兆しが見えてほしい。
Jミルクの需給短信によると、値上げ実施直後(10月31日週)の牛乳の販売個数は前年比97.5%。なるべくこの数字が下がらずに牛乳を買ってもらえることを願う。