乳滴/2023年4月20日号
切れ目ない経営支援を

新年度がスタートしたが、酪農経営は、依然、危機のトンネルの中。もがき、苦しんでいる。政府・与党も通常年であれば、当初予算、補正予算、12月の畜産物価格・政策決定の中で、対策を措置してきた。ところが、今回の「危機レベル」は、通常年度のサイクルでは間に合わない。まるで、政府・国会が常時、「畜酪」開催状況にあるかのようだ。
例えば、配合飼料価格安定基金の財源対策にしても、何とか目の前の四半期を乗り越えても、すぐに、次の財源対策がやってくる。3月に決定した畜産・酪農緊急対策パッケージでも国産粗飼料利用拡大に取り組む酪農家に、都府県1頭1万円、北海道7200円の補填金が措置された。事務手続きが済めば5月末以降にも交付されるとのこと。乳価引き上げ前にありがたいとの声がある。
これら対策は、当然ながら政府・与党、農水省、財務省間で折衝。大変な苦労の末に措置されたものである。
また、生産者乳価交渉も、年度を跨いだ連続の期中改定が進められようとしている。
指定団体別の出荷農家戸数は、直近の2月が公表されたが、前月より51戸減、前年同月より816戸減の1万1062戸。今回の緊急対策の背景の一つには、離農拡大に対する危機感がある。