乳滴/2023年5月20日号
夏祭り復活に向けて
浅草神社例大祭「三社祭」が今年は新型コロナ禍前の規模で開催されるという話題をラジオが伝えていた。こうした祭礼の本格的開催は、内外の観光客を呼び込み、地域経済に大いに良い影響をもたらすだろう。
筆者の地元で長年営まれてきた祇園祭(通称天王様)もここ3年規模を縮小し、神職と役員のみ少人数で神事を行い、神輿は担ぎ棒を外して軽トラックに載せて渡御する方式をとってきた。
天王様とは牛頭(ごず)天王の愛称で、インドの仏教聖地、祇園精舎の守り神のこと。疫病や厄災を退けるといわれている。日本三大祭のひとつ京都・八坂神社の祇園祭が有名だが、スサノヲノミコトをご祭神とする各地の神社で、田植えが終わる頃に祇園祭が行われていることを、本紙で2020~21年に連載した「新型コロナ退散祈願~牛頭天王への祈り」を通じて知った。今年は各地でにぎやかな夏祭りが見られそうだ。
地元神社の集まりで氏子総代が「今年は出来そうだな」と明るい顔で希望を口にしたが、その直後に「ところで担ぎ手は幾人いるかな?」と懸念も口にした。
どこも似たようなものだと思うが、若者が減り、地域の担い手の高齢化が深刻だ。人口減少、過疎の問題が身近なところで進んでいる。