乳滴/2023年7月10日号
正念場の消費拡大

気象庁の3カ月予報によると7月は西日本以西で、8月は全国的に気温が高くなり、暑い夏となりそうだ。暑さ(猛暑)は、乳牛の泌乳量が落ち、分娩リスクも高まる。電気代の値上がりは厳しいが、送風や換気等の暑熱対策は欠かせない。
牛乳は日中の最高気温が26度を超えると売れ行きが良くなるとの調査もあり、気になるのが8月の牛乳類の値上げによる消費動向だ。Jミルクの5月時点での予測では、仮に10%の価格改定が行われた場合、主力の牛乳は8月5.4%減と大きく減少。9月4.8%減等、4~5%程度減少しつつ、年度では3%減と予測している。
農水省の牛乳乳製品統計の直近の公表は5月分だが、昨年11月の値上げ以降5月までの7カ月間では、牛乳の生産量(消費に連動)は3.1%減となっている。
需要を喚起するために引き続き業界を挙げて、消費拡大対策に取り組まなければならないし、消費者に牛乳値上げに至った苦境にある酪農生産現場などに対する理解醸成活動が今以上に必要になる。
牛乳や発酵乳が売れなければ、加工向けが増え、官民挙げて取り組んでいる脱脂粉乳在庫が再び増加することにもなりかねない。消費者の生活防衛意識は高まっており、必死に取り組むしかない。