乳滴/2023年8月20日号
のしかかる円安傾向
![乳滴](image/nyuteki03.png)
生産者乳価の引き上げによっても、なお、生産コストをカバーできず、離農加速などの、非常(異常)事態が続いている。あらゆる生産コストが上昇する中でコストの約半分を占める飼料費(配合・粗飼料)が急騰。これが経営を苦しめている。
配合飼料対策として、政府も予備費や補正予算を活用しながら必死に財源を確保し対応してきた。直近、23年度第1四半期以降の対策としては、飼料コストの急増を段階的に抑制する「新たな特例」を制度内に設け、第1四半期には1㌧当たり7050円の緊急補填が行われた(既報)。
しかし、配合飼料の工場渡し価格は1㌧約10万円と20年9月の約6万5
千円に比べて約1.5倍。補填金や特別交付金後の(実質)生産者負担額についても右肩上がりの上昇が止まらず、21年1~3月期に比べると、直近の23年4~6月期は1㌧当たり1万7550円も上昇している。
ここにきて1㌴6㌦台で推移していた主原料のシカゴのとうもろこし価格が8月に入り5㌦割れ。20年度以降300㌦(1ショート㌧)程度で推移してきた大豆油かすは400~450㌦。海上運賃も急騰前以前に戻りつつある。しかし、為替が再び140円台の円安傾向に戻り、このことが価格が下がりきれない大きな要因である。