乳滴/2023年9月1日号
異常気象の恒常化
連日暑いと感じていたが、東京は年間猛暑日(最高気温35度超)最多記録を更新中という。北海道別海町の知人の暑中見舞い葉書に「この夏、北国でも30度を超える暑さです」とあった。道内紙も異例の暑さによる乳牛夏バテの情報を伝えている。全国の指定団体の7月の総受託乳量は前年同月比5.1%減。年度累計も4.9%減。当然、生産抑制策、戸数減の影響もあるが、記録的な暑さが大きく響いている。諸物価高騰の折、暑熱対策費用も痛い。
7月末から8月初めにかけて沖縄を脅かした台風6号は一度通り過ぎてまたUターンする迷走ぶりで、空路が全便運休となり旅行客や物流が混乱。農業関係ではさとうきび、マンゴーなど約10億円の被害が発生。旧盆には東海・近畿・中国地方に豪雨災害をもたらした遅い動きの台風7号も東海道・山陽新幹線を大混乱させたうえ、鳥取県では農林業関係で28億円超の被害が発生した。
一方、新潟県など米どころでは少雨高温・用水不足で出穂期、登熟期に水が回らず、大幅減収を見込む地域が出ている。
欧州の熱波。カナダの山火事。世界規模の異常気象が今後も続くなら、原料穀物、肥料の多くを輸入に頼る日本への影響は大きい。官民挙げて国内資源を活用した食料自給を進めるべきだ。