乳滴/2023年9月10日号
販売事業者の理解を
8月からの(一部は9月以降)牛乳類の小売価格再値上げによる販売数量減少を少しでも食い止めようと実務担当者が汗を流している。消費拡大の取り組みも各地で様々実施。販売状況の推移について固唾をのんで見守っている状況だ。
農水省の牛乳乳製品統計では、昨年11月の価格改定から、直近公表月の7月までの牛乳の平均消費減少幅は3.0%。再改定以降の8月の数字はまだまとまっていないが、Jミルクの需給短信週報9月7日(5千店の量販店等のサンプルデータ)では、直近週の牛乳の販売個数は前年同期比2.5%減。値段の安い乳飲料(同8.1%増)にシフトする動きが継続しているという。
前号で報じた新潟県酪連が酪農乳業に加え、県内大手の販売事業者を加えて、消費拡大に向けた緊急特別集会を開催したことは有意義な取り組みだ。牛乳の小売価格への適正な価格転嫁には、販売事業者である量販店やドラックストア等の協力が欠かせない。
従来から価格交渉の場においては、乳業メーカーは、販売事業者に交渉力で劣るとされてきた。しかし、今回の過去に例のない酪農生産現場や乳業のコスト上昇を詳細に伝え、何とか理解を得るように全力でコミュニケーションを図り、牛乳類売場を1列でも多く広げてほしい。