乳滴/2024年2月20日号
It's good With 牛乳
円安の長期化は飼料、燃料等生産コストに大きな影響を及ぼしている。資源の多くを輸入に頼る日本にはツラいが、一方、円安に沸いているのがインバウンド(訪日)旅行者で、政府観光局によれば昨年12月の訪日外客数はコロナ前(2019年11月)とほぼ同数の273万人、コロナ禍以降で最多を更新し、年累計でも2500万人を突破した(19年は3188万人だった)。
訪日客増加の機運に着目した関東生乳販連は、温泉等風呂上がりの牛乳飲用というユニークな習慣を紹介する「MILK afterbath is JAPANESE MILK-STYLE」をウェブ掲載(英・中・韓国語)、温泉地でポスターを掲示した。
新宿から明治神宮方面への通り道にある酪農会館辺りも、最近は訪日旅行者を見かける。先日は近くのコンビニ前でおにぎりを食べている旅行者2人連れがいた。フィルムに覆われた海苔を、筆者よりは上手くごはんに巻き付けたらしく、立ったままほおばっていた。「美味しいおにぎりには牛乳がよく合いますヨ」(筆者の好み)と教えたかった。
風呂上がりの冷たい牛乳、手軽な軽食おにぎりなど、日本の日常が旅行者の旅情をかきたてるというのが、異文化交流の面白いところだが、人口減少局面では、訪日客の胃袋への働きかけも、消費拡大戦略のひとつだ。