乳滴/2024年4月20日号
ドル円相場の行方
昨年の今頃の会合で、ある組合長が「毎朝、組合に出かける前にラジオを聴きながらエサを作るが、為替のニュースを聞くたびにガッカリだ」。配合飼料・乾牧草、燃料、機械・設備等の生産費が、酪農家の経営努力が及ばないドル円相場の影響を大きく受けている。日本の市場が閉まっている間に海外市場で動きがあって「いくらかでも円高ドル安に動いてほしい」というほのかな期待をもってニュースに聞き入るが、逆にドル高に動く現実に対する怒りと嘆き。
ちなみに昨年の今頃、ドル円相場は133円~134円水準。それがほぼ1年後の先日4月16日には154円台とドルが約20円高くなってしまった。報道では1990年6月以来約34年ぶりの円安であり、①日本の低金利政策は継続される②日米の金利差が開いた状態が続く――との見方が円安ドル高につながっていると解説しているが、理由はどうであれ、農家の生産費のみでなく資源を輸入に頼る日本国民の負担が増えている。
4月10日号で紹介した全国自給飼料生産コンクールの事例は、燃料・機械費は別として、飼料現物については耕種農家との連携による地域資源調達、機械の共同利用等、一朝一夕とはいかないが、方向性など、ある程度対応の余地があることを示唆している。