乳滴/2016年4月10日号
ウシの目線で考えて
本会発刊の「ウシのきもち、ヒトのきもち」(山下厚氏著)が農水省内にある三省堂書店地下売店の売れ筋ランクに入った(日本農業新聞3月27日付)。まだ冊数自体は多くないのだが、4月から農水省に入省する新入職員をはじめ、1人でも多くの農水省職員にも乳牛や酪農生産現場を知ってもらいたい。
著者の山下氏は千葉県農業共済組合連合会で32年間乳牛獣医師として診療に従事してきた。その乳牛と関わってきた長い経験から61の話題(四方山話)を文庫本サイズにまとめたものである「愚痴をいうでもなく、不満のひとつも漏らすことなく人間のために黙々働くウシたち」。山下氏は「ウシの目線に立って考えてほしい」と話す。
本会の新刊では「牛群検定クイックチェック」(相原光夫氏著・家畜改良事業団情報分析センター)も研修会等で活用されている。両書ともぜひ読んで感想を寄せてほしい。
少子高齢化の中で若者の活字離れ等から現在、出版業界も不振だ。ピーク時の1996年には約2.6兆円あった業界の売上高が約1.5兆円まで縮小してきている。特に雑誌の売上が大きく減った。そうした中でコミックを中心にした電子書籍が伸びるなど新しい芽も出始めている。嘆くだけでなく、新対応を見つけることが肝心だ。