乳滴/2016年5月10日号
ふるさと納税への期待
「ふるさと納税」の主要な情報サイト「ふるさとチョイス」を見ると、お礼の特産品等で一番人気はお米、次は牛肉だ。農水省の「米に関するマンスリーレポート」3月号で返礼品として提供される米の状況について特集を組んでいた。全国の1718市町村のうち732の市町村で返礼品に米を入れており、2015年の1年間に提供した量は何と1万3100㌧にのぼる。特に東北は5千㌧と人気がある。
「ふるさと納税」は、都市圏と地方の税制格差を縮める試みとして2008年に創設された制度。収入によって一定の上限はあるものの都道府県や市町村への寄付金のうち自己負担額の2千円を超える部分の税金(所得税・個人住民税)が控除される制度だ。
返礼品の豪華さを競うのは、本来の趣旨とは違うが、寄附する側にとっては本音は品物にあるようだ。以前、本コラムでも酪農乳業でも活用を考えたらと提案したが、牛乳乳製品は難しいのか、同サイトの返礼品紹介では、牛乳・乳飲料が16件、チーズ・バターが168件と米の2784件の約7%にすぎない。
熊本地震で義援金として活用する動きもあるようだ。神奈川県では地域振興として県内を巡るツアーを検討中というが、酪農活性化の観点から新しいアイディアが欲しい。